新作連載予告


 ホグワーツの地下室のひとつ。隠れるように佇む、気をつけて見なければ壁に溶けてしまうような扉の奥。薄暗い部屋にあるのは場にそぐわぬ一枚の絵画。




 そこに描かれているのは息を呑むほど美しい少女とその手に抱かれたコリウスの姿。




 その部屋にはもう何十年も、いや何百年も人は訪れていなかった。
 彼女は今日もコリウスを眺めたまま、まだ見ぬ何かを待っている。









 彼女はその日もただひたすら時が進むのを待っていた。稀に聞こえる、人の声。それを聞くのが数少ない楽しみだ。

 しかし、その日は様子が違った。一つの足音がその部屋の前で止まり、少しの沈黙ののち扉がゆっくりと開いた。



ぎぎぎ



 軋みながら数百年ぶりに開かれた扉に、彼女は信じられないと思いながらその扉を見つめた。



「なんだ、ここ」

「っ………!」



 肩まで伸ばした黒髪の少年。彼は見慣れぬ部屋にキョロキョロとし、絵画に気づいた。少し驚いたように目をパチパチとさせ、じっと見つめた。

 ゆっくりと扉を閉め、絵画に近づく。



「名前は…?」

「え……?」

「俺はシリウス お前は?」



 シリウスは黒い瞳に好奇心をちらつかせ、彼女に言った。



「私は… 私はアリス」

「アリスか よろしくな」



 アリスには何がよろしくなのか全く分からなかったが、久しぶりにした会話にうなづくことしかできなかった。






これは彼の初恋のお話

そして彼女の最期を飾る

小さな小さな物語



















 本編とは何の関係もありません。
 ハッピーエンドですが、2人がくっつくハッピーエンドにはなりません。ご了承ください。




エイプリルフール!
というわけで嘘でした。連載しません!笑

アンケートの結果本編のレギュラス落ちが決定しましたので、こっちでシリウス。

嫌いな色で塗りつぶして