「ごめんなさい!」※少々下品

「あの…貴方のタイミングを待っていたのですが
どうしても気になってしまうので聞かせて下さい。
何か悩みでもあるんですか?」

数日前から彼女がずっとおかしいままだった。
隠し事はなしと二人の間で約束をしているし
色々と話してもらった事は何度もある。
最初は言いにくそうにしていたり、時間がかかっても
最終的には話してくれるのが常だ。
けれど今回は彼女のタイミングを待てども待てども
いつもとは違い、何かを誤魔化そうとしている空気が
続いており彼女らしくなかった。

「……っ」

ぴたっと彼女の動きが止まり、明らかに動揺の色が濃い表情になった。
言葉を選ぶのに時間がかかっているのか
このまま誤魔化されてしまうのか
彼女の表情を見つめながら微笑んで待つ。

「き、嫌いにならないっ?」
「ええ、むしろ貴方を嫌いになんてなれません」

少し安堵し、今度こそきちんと話そうとしつつも
やはり躊躇って上手く話せないようだ。
でもそんな風にあたふたと世話しない様子もとても可愛い。
頬が緩んでしまう。

「数日前のただの夢の話なんだけど」
「はい」
「………えっとあの…豪さんが出てきてですね」
「それは光栄ですね」
「それで…その…………」

顔を真っ赤にして俯く様からいけない夢でも見てしまったのだろうかと
この時までは微笑ましい気持ちでいた。

「ご…ご…ごめんなさい!
あの!男性になったら豪さんの顔にかけたいとか
思ってしまったことがあって!
それでそのそういう夢を…みてしまって…!!
男性になるというか生えていただけなんですけれど!!!」
「は……………?」

確かにいけない夢の類ではあるけれど、方向性が違った。
引くだとか嫌いになるだとかそういう気持ちは湧いてこないが
なるほど…なるほど?

「ごめんなさい豪さんの事夢の中とはいえ汚してしまいました………」
「と、とりあえず落ち着きましょう、深呼吸しましょう!」
「う、うん!」

目の前で深呼吸する彼女。
ついそんな願望を持っていたことがあったのかと考え込んでしまう己。

「豪さん!豪さん?やっぱり引いて…」
「あ、いえ!そうではなくて」
「本当の事ちゃんと言って…っ」
「そうですね、強いて言えば
…………―さんのえっち」
「え、え!?あ、そうだけど…だ、だ、駄目だってそういうの……!」

一言でこんなに反応してくれる彼女がどこまでも可愛い。
面白くなってしまって笑うと彼女が
更にいたたまれなさそうな様子になる。