『ふぇ・・?』

キキィー!!!と鳴り響くブレーキ音と共に私の意識はブラックアウトした。



ー始まり、始まり



『・・んっ』

一体どれくらい気絶していたのだろうか。人通りは決して少なくはない場所で確か車に轢かれた、筈。誰も助けないなんて酷いな〜と思いながらとりあえず体を起こした。

痛みはあるものと考えていたがどうやら痛みもないし、擦り傷でさえなかった。

痛みには強い方ではあったが好んでる訳ではないので正直ホッとした。のも束の間、今自分が居る場所が明らかに先程の居た場所とは違う裏路地に自分は居た。

『あっ、んの野郎!!!轢いた挙句に証拠隠滅でこんな場所に放り投げるなんて!!!!』

一瞬ではあったが自分を轢いた運転手の顔と車は分かっていた為とりあえず警察に連絡をしようとパーカーのポケットに入っていた携帯を取り出した。

『う、うそん』

まさかの圏外の文字が目に止まる。え、ここ電波ない訳じゃないよね?ね?と思いつつ周りを見渡した。

とても高いビルに囲まれた裏路地で日中でありながら薄暗く正直ずっと居たい場所ではない。身震いを一つして、とりあえずこの場所から出ようと歩き出した。