05:相対連鎖
「武田先生。サッカーは1試合目が終わりました」
「お疲れ様です。では今のうちに小休憩して下さい」
クラス対抗のレクリエーションは現在滞りなく行われている。
「それじゃ、10分後に第一体育館で」
「だな」
「春菜〜!」
同じ実行委員のクラスメートと言葉を交わしていると突然藤本が割って入った。
「彩ちゃん?どうしたの」
「緊急事態!坪倉ちゃんが急に体調悪くなっちゃってバレーの女子メンバーが一人足りなくなったの。だから春菜助っ人お願い!!」
「ええ?!」
どうしてよりによって⋯。
「でも私実行委員だし、この後バドミントンの点付けしにいかなきゃ」
「いいよ神崎さん。オレが武ちゃんに事情説明して、先生か他の生徒で手の空いてる奴こっちに回してもらうから」
「ヨシそれで決まり!もうすぐうちのクラスの試合始まっちゃうから早く早くっ」
「ちょ、彩ちゃん⋯!」
結局半ば強引にバレーに参加させられることになったけれど、6人の中で男女3人ずつの混合編成だったおかげで殆ど男子がメインにプレーしている状態。加えてバレー経験者もおらず繋ぎもめちゃくちゃで本当にお遊びなことが幸いした。
(サーブ順が回ってきたら打つくらいの感じで良かった⋯)
適当にアンダーサーブでやり過ごし、運動部の男子がこぞってボールに触っているのを他人事のように後衛から眺めていたときだった。
「げっ!神崎さん、カバーカバー!!」
レシーブしたボールが大きく弾かれ飛んでいく。
そんな中、突如自分に向けられたカバーを要求する声に考える間もなく体が反射的に動き出していた。
(あ⋯しまった、)
気づいた時には味方の前衛方向にトスを送り出していた。
とはいえ、そこは素人ばかりをかき集めたチーム。丁度ボールの落下地点にいた男子がスパイクモーションからボールを叩いたが上手くミートせず。ところがそれがフェイントの形となり3組の得点に繋がった。
「春菜!今のトス、なんかそれっぽくてすごかった〜!」
「う、うん。ちょっと自分でもびっくりした」
「もしかしたらバレーの才能あるかもよ?!」
「彩ちゃん、そんな煽てても今日はヨーグル奢らないからね」
「えへ。煽て作戦失敗か〜」
そんな二人のやり取りを隣のコートでバスケをしていた日向が静かに見つめていた。
***
「よーし、じゃあ2分休憩。その後スパイク練習始めるぞ!」
「「「オス」」」
汗拭き+水分補給のため各々がコートの端へ移動する。
「―なぁ影山」
「なんだ」
「神崎さんって何か部活やってんの?」
「レクの実行委員引き受けたくらいだから多分やってねーだろ」
「ふーん⋯」
「神崎がどうかしたのか」
「今日俺バスケやってたんだけど、隣のコートはバレーやっててさ。気づいたら神崎さんも参加してて」
「はぁ?あいつ実行委員だからどのゲームにも参加しないっつってたぞ」
「その辺の成り行きはよくわかんねーけど⋯とにかく、凄かったんだ」
「? 何がだよ」
「神崎さんの、」
―――トスが。
日向の言葉に、影山が僅かに目を見開くと同時に“集合”の声がコートに響き渡った。
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2020/05/23
「お疲れ様です。では今のうちに小休憩して下さい」
クラス対抗のレクリエーションは現在滞りなく行われている。
「それじゃ、10分後に第一体育館で」
「だな」
「春菜〜!」
同じ実行委員のクラスメートと言葉を交わしていると突然藤本が割って入った。
「彩ちゃん?どうしたの」
「緊急事態!坪倉ちゃんが急に体調悪くなっちゃってバレーの女子メンバーが一人足りなくなったの。だから春菜助っ人お願い!!」
「ええ?!」
どうしてよりによって⋯。
「でも私実行委員だし、この後バドミントンの点付けしにいかなきゃ」
「いいよ神崎さん。オレが武ちゃんに事情説明して、先生か他の生徒で手の空いてる奴こっちに回してもらうから」
「ヨシそれで決まり!もうすぐうちのクラスの試合始まっちゃうから早く早くっ」
「ちょ、彩ちゃん⋯!」
結局半ば強引にバレーに参加させられることになったけれど、6人の中で男女3人ずつの混合編成だったおかげで殆ど男子がメインにプレーしている状態。加えてバレー経験者もおらず繋ぎもめちゃくちゃで本当にお遊びなことが幸いした。
(サーブ順が回ってきたら打つくらいの感じで良かった⋯)
適当にアンダーサーブでやり過ごし、運動部の男子がこぞってボールに触っているのを他人事のように後衛から眺めていたときだった。
「げっ!神崎さん、カバーカバー!!」
レシーブしたボールが大きく弾かれ飛んでいく。
そんな中、突如自分に向けられたカバーを要求する声に考える間もなく体が反射的に動き出していた。
(あ⋯しまった、)
気づいた時には味方の前衛方向にトスを送り出していた。
とはいえ、そこは素人ばかりをかき集めたチーム。丁度ボールの落下地点にいた男子がスパイクモーションからボールを叩いたが上手くミートせず。ところがそれがフェイントの形となり3組の得点に繋がった。
「春菜!今のトス、なんかそれっぽくてすごかった〜!」
「う、うん。ちょっと自分でもびっくりした」
「もしかしたらバレーの才能あるかもよ?!」
「彩ちゃん、そんな煽てても今日はヨーグル奢らないからね」
「えへ。煽て作戦失敗か〜」
そんな二人のやり取りを隣のコートでバスケをしていた日向が静かに見つめていた。
***
「よーし、じゃあ2分休憩。その後スパイク練習始めるぞ!」
「「「オス」」」
汗拭き+水分補給のため各々がコートの端へ移動する。
「―なぁ影山」
「なんだ」
「神崎さんって何か部活やってんの?」
「レクの実行委員引き受けたくらいだから多分やってねーだろ」
「ふーん⋯」
「神崎がどうかしたのか」
「今日俺バスケやってたんだけど、隣のコートはバレーやっててさ。気づいたら神崎さんも参加してて」
「はぁ?あいつ実行委員だからどのゲームにも参加しないっつってたぞ」
「その辺の成り行きはよくわかんねーけど⋯とにかく、凄かったんだ」
「? 何がだよ」
「神崎さんの、」
―――トスが。
日向の言葉に、影山が僅かに目を見開くと同時に“集合”の声がコートに響き渡った。
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