10:浸食 - lose control -
ジンはベッドヘッドに凭れ、彼女の顔に掛かった髪を優しい手つきで横に払ってやった。名前はその動作に気づくことなく隣ですよすよと寝息を立てている。
あの後そのままの勢いでリビングで翻弄し、就寝前に再びベッドの上で華奢な身体を組み敷いた。いつもより過剰に責め立ててしまった感は否めない。気が付けばそんな行動に出てしまっていた。
焦らして、焦らして⋯もう無理だと懇願する彼女を何度も何度も絶頂に導いて。行き過ぎた快楽は時に苦痛にもなり得る。最終的に名前は意識を失うかのように眠りの世界へ落ちて行った。あくまでも冷静に彼女の言葉を聞き入れ、平静を装っていたつもりがどうやら無駄な足掻きだったようだ。
「甘いものはあんまり得意じゃないって言ってたけど、シナモンは好きだったよね?だからジンに食べて貰えるようにシナモンクッキーにしてみたの!」
手渡されたクッキーはジンの好みに合わせ、甘さ控えめでシナモンの風味が引き立っていた。彼女が自分の事を想いながら懸命に作ったのかと思うとそれだけで自然と頬が緩んだ。それなのに⋯。
ジンは自嘲気味に嗤った。
いつから自分はこんなに女々しい輩に成り下がったのか、と。名前が絡むと失くしていた筈の感情が次々に現れて振り回される。その度にどれだけ彼女が自身にとって大きな存在になっているかと云う事を認識させられるのだ。
もういっそのこと、誰も近づけない場所に永遠に閉じ込めて⋯。
「クッ⋯とうとう俺もヤキが回ったか⋯」
ジンは一瞬頭に思い浮かんだ思考を揉み消すかのように咥えていた煙草を灰皿に押し付けた。そしてベッドへと身を沈めた後、名前の身体を包み込むようにして目を閉じた。
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2014/9/26
あの後そのままの勢いでリビングで翻弄し、就寝前に再びベッドの上で華奢な身体を組み敷いた。いつもより過剰に責め立ててしまった感は否めない。気が付けばそんな行動に出てしまっていた。
焦らして、焦らして⋯もう無理だと懇願する彼女を何度も何度も絶頂に導いて。行き過ぎた快楽は時に苦痛にもなり得る。最終的に名前は意識を失うかのように眠りの世界へ落ちて行った。あくまでも冷静に彼女の言葉を聞き入れ、平静を装っていたつもりがどうやら無駄な足掻きだったようだ。
「甘いものはあんまり得意じゃないって言ってたけど、シナモンは好きだったよね?だからジンに食べて貰えるようにシナモンクッキーにしてみたの!」
手渡されたクッキーはジンの好みに合わせ、甘さ控えめでシナモンの風味が引き立っていた。彼女が自分の事を想いながら懸命に作ったのかと思うとそれだけで自然と頬が緩んだ。それなのに⋯。
ジンは自嘲気味に嗤った。
いつから自分はこんなに女々しい輩に成り下がったのか、と。名前が絡むと失くしていた筈の感情が次々に現れて振り回される。その度にどれだけ彼女が自身にとって大きな存在になっているかと云う事を認識させられるのだ。
もういっそのこと、誰も近づけない場所に永遠に閉じ込めて⋯。
「クッ⋯とうとう俺もヤキが回ったか⋯」
ジンは一瞬頭に思い浮かんだ思考を揉み消すかのように咥えていた煙草を灰皿に押し付けた。そしてベッドへと身を沈めた後、名前の身体を包み込むようにして目を閉じた。
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