talking to myself

※圧縮の影響で写真の色味が多少変わっています

2026.04.01(Wed)

ぐんそーお誕生日おめでとうございます!
バースデーはいつも通り現パロですが…バースデー感微塵もないです:'(

*0401:月島夢/神居商事パロ

雨が降っている。
絹糸のように細く、目を凝らさねば見えないような。それでも傘をささねば濡れるような、そんな雨が。

「風邪をひくぞ」
会社の裏手。普段から人通りなどほとんどない、侘しい小道。
申し訳程度に張り出したコンクリートの下に佇む背中に、月島は声をかける。小さな肩が跳ね、驚いた様子のyumeが振り向いた。
「あ……月島さん」
こちらを見て安堵したように瞳を細める。
「どうかしたのか?」
「桜、散っちゃうかなって……」
視線の先には数日前に咲いた薄桃色の花。まだ若木であろうか――それは幹も枝も細く、頼りなげに見えた。
「毎年思うんですけど……桜が咲くと、雨が降りません?」
「……そうか?」
そんなことなど考えたこともなかった月島は、寄せられた眉根を眺めてしばし記憶を探る。
「そうですよ」
yumeが唇を突き出した。
「それでなくても儚いのに、雨や風があたったらぴゅって散っちゃうじゃないですか」
そんなにやわじゃないだろう、と苦笑しながら、先ほど同じようなことを考えたなと思い起こす。
己の場合は、消えてしまいそうな小さな背中に、であったが。

なくしたくないものは 弱く見えるのかもしれん。
月島はひとり遠くを見やる。
その様子を不思議そうに見ていたyumeの瞳が、不意に大きく見開かれた。
「月島さん!なんで半袖なんですか?!」
「……は?」
「いや、だからなんで半袖なんですか!」
なぜか、と問われれば、暑いからである。
3月半ばを過ぎたあたりから、日中の体感温度は夏日並みなのだ。満員電車など目も当てられない。
「ジャケットはあるぞ」
「そういうことじゃないです!」
「そうか?」
「そうです!まだ春になったばっかりですよ?! ううん、むしろまだ冬です!」
「それはさすがに無理があるだろう」
yumeの素っ頓狂なひと言に、月島は声を上げて笑った。

That’s all.
tale

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