*小説 info アネモネ


れ〜さん監禁

短編

すみません、ノリで書いたギャグです

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「痛いっ…痛いって…!」
強い力で押さえつけられると当然力で勝てるはずもなく簡単にねじ伏せられる。
元から無い体力で必死に抵抗しても全く意味を成していなかった。
知らない男のそれが体内に入ってきてはミチミチと体の中で悲鳴をあげている。
「やだ…っ!やだやだやめてってば!!」
不快な痛みに叫び声をあげる。
犯されて絶望するほど弱くは無い。
それでも不快感しかなくて、幼い子供みたいに駄々をこねている。
自分でも元気なものだなと思った。
「ねぇ…いっ…たいって!!」
半ギレになりながら睨んだがやめてくれないので涙が滲んだ。
概ね仕事で恨みでも買ったんだろう。
女だったらケアが面倒だし男だったら後でとっちめないと、あ、慰謝料貰わなきゃと思いながらなんとか早く終わってくれないものかと思った。
織くん…早く助けにきて…。
それとも、織くんも何か酷い目にあってないか……そんなことがあったら腹わたが煮えくり返ってしまうと思いながら、少し不安になる。
繰り返される不愉快なピストンに耐えながら、出来るだけ恋人の事を考えた。
「れーさん!!」
突然派手な音と足音と共に聞き覚えのある声が響いた。
れーのことをこの場でれーさんと呼ぶのは1人しかいない。
「あお……!!……と、誰かな…」
弟のあおと銃を持って武装したSPみたいな人がいっぱいいる。
あおはその1人と共にれーの側に走り寄って来てくれた。
後ろでれーを犯していた人が次々と武装した人に取り囲まれている。
「あお…」
「れーさん!!大丈夫ですか?!」
あおは泣きそうになりながら俺の顔を覗き込んだ。
「どして…?きてくれたの…?ありがとう」
「当たり前じゃないですか!!」
ぎゅっと上から抱き締められてじんわりと気持ちが暖かくなった。
大好きな双子の弟に抱き締められて、酷く安心する。
「あお…」
「れーさん…!」
「嬉しい…ありがとう…」
「ごめんなさい、ホテル買収するのに時間がかかっちゃって」
「えっ買収?」
あおの言葉にきょとんと疑問符を浮かべながら聞き返した。
「まるごと買いました」
「他に手段あったくない?」
「プライバシーって言われそうで…買収が手っ取り早そうだったので…」
「うけるね」
けらけら笑うとあおがれーに触れる手に少し力を込めた。
「部屋使い放題です…」
「まじ?好きじゃん」
そういうとあおはれーをぎゅっと抱き締めてきた。
やっぱ甘えたなとこは変わんないなと思いながらあおを抱きしめ返した。
「織くんは無事?」
はっと思い出してあおに尋ねるとあおがれーの方を見た。
「隣で一回捕まったけどSPに助けられました」
「だめじゃん!!」
ちょうど突っ込んだ頃に遠くで織くんの声が響いた。
「零衣!」
「あ、織くん!」
れーはぱっと顔を上げて自分でも嬉しそうな声を上げてにっこりと笑った。
そのまま織くんが駆け寄ってきてくれたので、手を伸ばしてぎゅっと抱き締めた。
「織くん大丈夫?」
「ああ、零衣こそ大丈夫か?」
「うん、もー大丈夫!織くんとあおがきてくれたもん」
もう一度2人をぎゅっと抱き締めなおすと、凄く満たされた気がした。
ようやく引いてきた痛みに安堵しながら、今夜は沢山抱きしめようと心に誓ったのだった。