そこ、ボクの席なんですが……

席について、一息。
水色のシャツ、白のブレザーに身を包んだ、これから生活を共にする人達。まずは周りの席の子から友達になるべきだよね。って意気込んだものの、隣も前後もまだ来ていないようで。とりあえず待てばいっか。


「……あの」

声のする右側を向けば、隣にぽつりと立つ1人の男の子。
……え?いつの間に?

「そこ、ボクの席なんですが……」


申し訳なさそうに眉を下げて訴える彼は、小柄で水色な子で。

「え、まじ?あれ?ごめんねぇ」

急いで席を立って黒板に貼られた座席表を見に駆け足。「橙田」は、えっと……そこの席じゃないってことは……?
自分の名前を確認して驚く。俺は入学早々、横に2列間違えるというとんだミラクルをやらかしてしまったようだ。これは恥じらう。さすがに恥じらう。俺今絶対顔赤い。
気まずい気持ちになりながらも水色の元へ戻る。


「ごめん、本当うっかり間違えた」
「いえ、気にしないでください」
「こんな状況で名乗るのすごく恥ずかしいんだけど、俺、橙田 カケル。よろしくね」
「ボクは黒子テツヤです。よろしくお願いします」


あぁ、第一印象おっちょこちょい決定。