プロローグ
血の海を見た。
大好きなお母さん、怖いけど実は優しいお父さん、そしていつも良くしてくれていたおじちゃん、修行後にこっそり団子をくれたおばちゃん。
私と血の繋がった人は全て血だらけで倒れていた。
泣き叫ぶ私の目の前には静かに涙を流す、尊敬する忍、実の姉の姿があった。
抱きつこうと手を伸ばすけど、お姉ちゃんは私の頬をその血まみれの両手で優しく包んだ。
「……ごめんね、」
その一言と悲しい笑顔が、私に残った記憶。
気付けば真っ白な天井が見えた。
"風雅一族はただ一人を残して滅ぼされた"
火影様の言葉に唖然とした。
お姉ちゃんも死んだ、家族もみんな、親戚さえも。
何故私は生きているの?
いっそのこと死んでしまいたかった。
7歳の少女の脳に刻み込まれた残酷な"記憶"。
それ以外の"記憶"は、もう残っていない。
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