輝く瞳


俺たちがまだアカデミー生だった頃。
修行だ!なんて言って赤丸と里を駆け回ってたんだよな。
そうしたら、見覚えのある背中があってよ、あの綺麗な金髪はヒカリってやつだ。小せぇ体をさらに小さくしてしゃがんで、地面を見つめている。


俺はなんとなく、別に何もないんだけど、なんとなくヒカリが苦手だった。
だってよ、すげぇ冷静だし、なんか無愛想だし、しかもあの黄金色っつーのかな、あの目と見つめ合うと、心を見透かされてる感じがするっつーか、本当にそんなことがある訳もねぇんだけど、何かな、苦手なんだよな。


少し離れて様子を伺っていると、ヒカリが見つめる地面には小せぇ白い花が咲いててよ、それを飽きもせずじーっと見てんだ、あいつ。
でもその顔がなんつーか、愛しそうっていうのか?すげぇ花が好きなのかなーこいつ。って思ったら、案外悪い奴でもないのかなーとも思ったりな、した訳だ。


「花、好きなのか?」


いても立ってもいられなくなって、思わずヒカリにそう声をかけていた。しゃがんだまま俺を見るあいつの目は、太陽の光を受けてきらきらとしたビー玉みてぇに輝いてて、あぁ綺麗だなぁなんて柄にもなく思っちまった。


「特別好きって訳でもねぇんすけど」
「……そうかよ」
「この花はこんな所で強く生きてんだなって思ったら、すごく力が湧いてくるような気がしたんすよ」


そう話すヒカリは俺が思ってたような冷たそうで、心を見透かすような、そんな奴じゃねぇみたいだな。その黄金色の瞳みたいに、実はすげぇ綺麗な奴らしい。


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