ストーカー
まただ。
1人になると、誰かが私を呼ぶ。
学校の帰り道を歩いていると、いつものようにそいつは私の名前を呼んだ。
名前を呼ぶだけで、それ以外何を話しかけるわけでもなく、姿を見たこともない。
凄く遠くもなく、凄く近くもない場所からそいつはただ私を呼ぶ。
男性と思われる低い声に最初は薄ら寒さを覚えたが、何だか今はそれが懐かしく思えるくらいに聞き慣れてきてしまっている。が、未だ正体はつかめず、だ。
実害がないし、私が一人で居る時にしか声をかけてこないものだから、私はもう数ヶ月は続いているこの怪奇現象を誰にも伝えられていない。
友人や家族に変な心配はかけられないから、どのみち私に相談窓口は無いのだけれど。
今出来ることと言えば「気にしない」事ぐらいで、数分も放っておけばいつも声は聞こえなくなる。
『・・・気をつけろ』
「え・・・」
慌ててぐるりと周りをみた。
「・・・やっぱり」
誰も、居ない。
名前を呼ぶだけのそいつが、今日は言葉を残していったのに。
はっきりと耳に届いた「気をつけろ」って?一体何に。いつ?
私は、いつ何から自分を守ればいいんだ。
気をつけなきゃいけないほどの物って、何だ?
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