それ誰の体育着?

角名
『体育着借りれてよかったねー』「ほんとだよ」危なかった。隣のクラスと体育の時間がずれてて借りることができたから一安心。玄関まで持ってきていたのに忘れるなんてアホすぎる。まあ借りれたし結果オーライ……「ちょっと」後ろから掴まれた腕に驚いて振り向くと、眉間にしわを寄せた倫太郎が立っていた。『……じゃあ先行ってるねー』「ちょ、待っ」空気を読んでか友達は先に行ってしまい、不満あり気な彼と二人この場に残されてしまった。「えっと、どうしたの?」「誰の」「え、なにが」「その体育着、誰の」「……ああこれ、今日体育着忘れちゃって。△△から借りたんだよね」「△△さんって、女バスの?」「うん、長身でかっこいいって有名でしょ」そう伝えれば一呼吸置いて、掴んでいた私の手を離した。倫太郎はおでこに手を当て「ごめん」と口にするが、一体なんのことなのか皆目見当もつかなくて。私は逃げられないよう彼の袖口を掴み「なんのこと?」と問いかければ、勘違いだと小さく呟いた。「きみが大きい体育着着てるから、その」「もしかして男子のだと思ってた?」「まあ……ん、」彼は視線を逸らし口元を隠して肯定する。「えー倫太郎可愛いっ」「ちょ、やめてよ」勘違いで嫉妬してくれたことが嬉しくて、耳までほんのり赤くしてる倫太郎に思わず抱き着いた。