『お前みたいな女、重いんだよ』
#brmyプラス
「……っ、最悪」
夢を見た。元彼が浮気して他の人を選んだ夢を。
あれだけ優しかった彼がまさか裏切っていたとは思わず、今でも悪夢で時折私を悩ませた。
「どうしたの。目、覚めちゃった?」
「吏来さん」
もぞもぞと、一緒に寝ている吏来さんの腕の中に自分から潜り込む。彼はごく自然に受け入れて、私の背中に腕を回した。
こんなに幸せだというのに、いつまで過去を引き摺っているんだろうと自分に嫌気がさす。
「嫌な夢でも見たの。ほーら、俺はここにいるよ」
背中をさする彼の優しさにいつも甘えてしまう。吏来さんの胸に頭をぐりぐり押し付けると「本当になにかあった?」と心配そうな声で問いかけた。
「……吏来さんはさ、私だけを好きでいてくれる?」
言ってから少し後悔した。面倒い女だと、そう思われるかもしれないのに。
「……そう思わせてしまったってことは、俺の愛情表現が足りなかったかな」
「え?」
予想していなかった言葉を口にした吏来さんは、私のおでこ、頬、唇と順番にキスを落とした。少しくすぐったい。
「好きだよ、それはもう愛って言っていいほどには」
私の目を真っすぐ見て、当たり前のように言葉を紡ぐ。どうしてか彼の言葉は疑う余地もなく胸の奥まですっと入ってきて。
「言葉でも行動でも、一生かけてきみに伝えるよ。だから安心しておやすみ」
半ばプロポーズのようなその言葉に、不安がじんわりと溶けていった。