プロローグ

 後になって思い返せば、随分と大胆なことを思いついて、勢いそのままに行動に移せたものだった。
 よくもまあ、いつ死んでもおかしくないような無謀な旅にでることができたと、驚きと、ある種の呆れすら浮かんでくる。

 けれどそれと同時に、いつも思うことがある。
 それは、わたしのかつての行動は、決して間違いなんかじゃなかったということ。ひとつの巡り合いのために、遠い北海道の地まで渡ったのだという確信。

 肌身離さずお守りのように持ち歩いている、二人並んだ写真を陽にかざして優しくなぞりながら、わたしはいつも、銀世界の旅の中で抱いた愛おしさを思い出している。


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