VALENTINE DAY 2023



 バレンタインルートランダム作文(R18)です。
 下の話の後にある!HAPPY VALENTINE!を押すと続きがランダムで表示されます。
 全3種です。





 夕飯を食べた後、恋人とドラッグストアに買い物に行くと、自分が使うもののクセに、お前がイイと思うやつを持ってこい、と放逐された。よっぽどつぶつぶだの光るだの変なものにしてやろうと思ったものの、さっさと目当てのものを見つけて戻ろうとしたとき、以前に使ったことのあるチョコレートの匂いつきローションのニューバージョンなんてものが出ているのを見つけたのだ。
 バレンタインが近いからだろう、普通のチョコレートもアイドルとコラボしたパッケージや期間限定フレーバーが投げ売りされている。しかし少し奥まったところにあるコーナーとはいえ、今度は味つき! 媚薬効果もアップ! ふたりの夜がさらに甘く♡ などとデカデカギラギラと煽り立てているポップをげんなりと眺めていると、横からす、と手が伸びてきた。慌てて避けると新発売品も含めた全種類を手早く掴みカゴに入れている。あまりにも迷いなく全てをさらうスキモノを興味本位で目で追う、と――
「……って、オイ!」
「なんだ、前に使ったときはお気に入りだったじゃねえか」
「気に入ってねーよ!」
 意外と生活雑貨だのが安いから、と離れて買い物していたはずの恋人が隣にいた。物色を終えたらしいカゴの中の見慣れたシンプルで落ち着いた色合いの消耗品に混じる、いかにも可愛らしく甘ったるいデザインのローションはひどく浮く。
「あんな積極的に誘ってくれたのに?」
「……そのあとさんざんローション遊びさせられて、鼻がバカになったから懲りたんだよ」
 そう、まさにバレンタインだからとチョコレートフレーバーのローションで誘い、爛れた一夜を過ごしたのだ。ナカに射精して、もっと、もっと……思い出すと頭が痛い馬鹿騒ぎに加え、事前にローションを仕込んで乗っかったせいで、どうやってちんぽを丸呑みできるようにしたのかを実演させられた。
 余韻が抜けきらないまま、体が熱くなるていどとはいえ媚薬を敏感な場所にねちねちと再度塗りたくるのはしんどかった。それも一人ではなく、近くで嗜虐的な視線の恋人がじぃ、と見つめていたのだから。
 見るな、と言っても『こんなに感じるなんて媚薬成分が強すぎないか心配だ』ともっともらしいことを言って退かず、結局、指で届く浅瀬にローションを塗りこんでとんとん、と叩くのに夢中になって、はしたなく射精……どころか潮を吹き、そして……もう、やめよう。
「……ああ、ローション使ってオナニーして……イキションしちゃったもんなぁ……?」
 最初にぴゅっぴゅってかぁわいい射精して、そのあとぷしゃぁ〜っていぃっぱい潮吹いて……最後、ナカで指、ぎゅぅ〜って締めながらおしっこおもらしして……いくいくぅって……
「……なぁ?」
 自分にだけ聞こえるように小さな声で囁かれ、鼓膜をいやらしい言葉でふるわされる。
 外の、他にも人がいる店の中で、恥ずかしくて、嫌で、やめろ、と言いたいのに、胎がぞくん、とはしたなく脈打ってしまう。
「ヘンタイ……ッ」
「しばらくチョコの匂い嗅ぐだけで尻ひくつかせてたよなぁ?」
 鼻が痛いとか嘘言いやがって、と詰る声に、また胎がぞくぞくとする。
 だって、何もかもかき消して、塗り替えるほど、部屋中に広がったのだ。きもちよくて、ふわふわする頭にチョコの匂いが混じり合って、チョコの匂いがするときもちよくて。今だって目の前のローションから、店中から、チョコレートの甘くて、濃い、匂いが。
「……っ」
 ぞくぞくん……っ、と胎も背も足もふるえて、がくがくと崩れ落ちそうなのをなんとか踏みとどまる。店内の一番隅の、奥。目立たない小さなアダルトグッズコーナーとはいえ、人が来ないわけではない。
「コンドーム持ったまましていい顔じゃねえぞ」
 そうだ。コンドームがなくなって、わざわざ買いに来たんだ。コンビニだと、獄のサイズがないから、それで。お前のナカに挿入れるんだから、と選ばされて。
「……ハメられたくてしょうがないって、やらしい顔して……」
「うるせぇ……!」
 持っていたコンドームをカゴに投げ込む。これでもうどっからどう見たってバレンタインに恋人の家で浮かれたセックスをするバカップルの買い物だ。
「そこのつぶつぶのじゃなくていいのか?」
「もう喋んな!」
 とっととレジに行け、と蹴飛ばすと、帰ったらどれが使いたいか選んでおけ、と派手派手しいポップを目でさされた。
 どれにしたってとんでもないことになる。それならば、と運を天にまかせ、目をつぶって一本を抜き取る。
 そうして目を開けたときに掴んでいた菓子と見紛うパッケージに、深い、けれども熱いため息がもれた。

!HAPPY VALENTINE!

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