!HAPPY VALENTINE!

『ミルク』

 ベッドに腰掛け、広げられた恋人の足の間に跪く。お互いにほとんど服が乱れていないせいで、唯一露出した恋人の逸物がひどく非現実的に見えた。
 本来の買い物の目的だったコンドームを被せたちんぽは、薄桃色のゴムに包まれてもグロテスクな大きさと形を隠せない。むしろ色が可愛らしいだけに余計に長大さが際立って、鼻先をかすめるさきっぽをつい見つめてしまう。
 ぐ、と張り出したちんぽに釘付けになっているのを咎めるように、どろりとした甘ったるい粘液が降ってきた。うっすらと茶色く、匂いどころか味もチョコレートそのもの――買ってきたばかりのローションだ。
 ゴムに覆われたちんぽは、さらにぴっちりと血管もあらわになるほど浮かび上がり、甘い匂いに反してこれからお前の胎を思うままかき回すのだと言うように凶悪に膨張していく。
「物欲しそうに鼻鳴らしやがって」
「……チョコにだよ」
 ぶるん、と重そうにちんぽを揺らし、頬を叩かれる。つたい落ちたきんたまにもねっとりとした液体がからみつき、子種のたっぷりと詰まったふくらみがてらてらと光った。
 頬をなぞり、くちびるをぶちゅ、と撫でたさきっぽは、ゴムも先走りもかき消すほど甘く香り、思わず喉を鳴らしてしゃぶりついてしまう。それほど甘いものが好きなわけではないけれど、いつもなら大きさと独特の匂いに負けてしまうのを収められるかもしれない、と希望を抱いたのだ。
 結果的にイラマチオになるとしても口に入る限りおさめる――というのもサイズの違いすぎるものにとっては挑戦だ。ご立派すぎる恋人の性器は、一回り違う身体には自然とおさまるなどあり得ない。それは尻も口も同じで、一生懸命に咥え込むだけで恋人はハラハラとしながらも興奮を隠しきれず、さらに逸物を大きくしてしまう。
「ん……ぅ……っ」
 ミルクチョコレートのフレーバーに助けられながら、喉を鳴らし、少しずつちんぽを飲み込む。ふうふうと鼻も鳴らす様はみっともないだろうに、萎えるどころか天井しらずに成長していくのが少し怖い。だんだんと苦しくなったのもあって目尻にじわ、と涙がにじんだ。
「ふ、ぅぅ……」
 じわじわと侵攻していたさきっぽが、ついに喉奥にごり、と当たる。えずきそうになるのをこらえ、必死で飲み込むと鼻からチョコレートの香りが抜けていった。自分の唾液かローションか、ぬちぬちとねばついた水音が口から耳へと響き、急速に『セックスしている』と感じてしまう。
 今までだってフェラもイラマチオもしてきたのに、口と喉をまんこみたいだとちんぽにかき回されてもきたのに、それだけでイッてもきたのに。いつもよりゆっくりで、静かで、口の中いっぱいに広がるチョコレートにくらくらして、おかしくなったのだ。
「ふぅ……っん、ぅ……っ」
 苦しくて、吐き出しそうになるのを我慢して、ごりゅ、ごちゅ、と喉を突くさきっぽを受け止める。まだ全部入っていないけれど、恋人も我慢ができなくなったのか腰がかくかくと揺れていた。
 受け入れるのが精一杯の口でも種付したくなるほどヨクできたのが嬉しい。鋭い犬歯は立てないように舌と口壁で愛撫して、くちびるはくちづけるようにすぼめて食む。きもちよくなってほしい、それが自分もきもちいいから。
「んっ! んぅ……っ、んーー……っ!」
 ゆっくりと、けれどもだんだんと荒っぽく突き立てられはじめたちんぽに一生懸命食らいつき、しゃぶりつく。チョコの匂いも味もすっかり馴染んで、ゴム越しに触れているちんぽの味を思い出そうとする。
 美味しくない、どころか不味い。全然好きになれないし、ゴムの方がマシ。いかにも作り物めいた味がするけれどこのローションはかなりイケる。でも、それでも、尻の、胎の、体の奥がうずいて、切なくて、たまらなくなるのは恋人のモノなのだ。
 跪いたまま腰が、尻が揺れる。恋人に犯されている口を羨むように、ぱくぱくと後腔がひくつくのがわかる。前だってだらだらと溢れた先走りで下着がべちょべちょして気持ち悪い。乳首が硬く尖って、揺れるたびに服と擦れて感じて、下着がもっと濡れていく。恥ずかしいほど淫らなのに、それなのに、止まれない。
 セックスしているのは口なのに、触れられてもいないのに、積み重ねた時間と経験で体が勝手に期待して、きもちよくなって、あたまがまっしろになって、もう――
「……っ!」
「やぁらしぃ、顔……」
 ちぃちゃいお口をおまんこにされてイクのは気持ちいいか? と笑う顔は、鷹揚に見えても獰猛さが隠しきれない。ぎらぎらと光る目とちらちらと覗く歯が、喉奥を突かれておまんことちんこで同時イキした淫乱を狙っている。
 まだ、口の中のちんぽは達さずに張り詰めたまま。この逸物がやわらかくなるまで、何度イッてしまうのか。考えるだけでじん、と胎の奥がふるえ、しょろ、と子供のような粗相をしてしまう。
「この後、どうされたい?」
 全部お見通しの意地悪な問いが頭の上から降ってくる。どうされたいか、なんて、聞くまでもないのに。夜は、これから深くなるのに。

!HAPPY VALENTINE!

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