「妖関係の依頼人…ですか…」

私がそう聞くと社長はお茶を啜り云った。

「あゝ、どうやら、とある妖を祓いに行く人々が次々と行方不明になっているのだ。この社で妖の存在を知っているのは私と鏡子だけだ。」

「依頼人は?」

社長は私に依頼人の情報が書かれた資料と、事件についての資料を手渡してくれた。

「俳優の名取周一だ。名取家は妖祓いの中では有名な血筋の様だ。今回は名取殿の護衛へと回ってもらう。」

護衛かぁ…

「そろそろ名取殿が此方に来る時間だ。準備を」

「はい、社長」