REPAIRと忠誠
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その間にも、スタースクリームは調子に乗り続け、うざったい放送まで流している。
あのやり方では無く、メガトロン様の代理としての振る舞いならば、サウンドウェーブとシルバーウィングも従っただろう。
メガトロン様のリペアが済んだ時、状況に即座に対応出来るよう、情報収集は怠っていない。
愚かな事にスタースクリームはシルバーウィング達のしている事に全く気付いていない。もちろん、こちらにとっては幸いな事だ。
スタースクリームがディセプティコンに降ってから、シルバーウィングは航空参謀からただのseekersに格下げでは有るが、シルバーウィングが航空参謀だった頃は、サウンドウェーブとも協力は惜しまなかったし、何より忠実だった。やっている事は大して違わない。
元々スタースクリームの部下だったスカイワープとサンダークラッカーはスタースクリームを上司だと思っていないのが見て取れる。そして、それまでシルバーウィングの部下だったサンストーム達は、スタースクリームに隠れてでは有るが未だにシルバーウィングを頼る。
スタースクリームがメガトロン様に評価されている理由は恐らく、あの積極性も有るのだろう。もう少し落ち着いてくれたらメガトロン様も、後継者として扱うかも知れないのに。
「シルバーウィングー!これ使えそうじゃねえか?」
リサイクル施設に運ばれるスクラップたちの山からランブルが青いボディを覗かせて言った。
「中々良いね。でもさ、早く出ねぇとランブルがスクラップになっちゃうよ」
「分かってらぁ!よっと。サウンドウェーブん所まで運んでってくれよー?」
「あいよ。ちゃーんと掴まってなよ」
運ばれるスクラップの山を突き抜けて、パーツを抱えたランブルがシルバーウィングの胸に飛び込んで来る。ブースターを噴かせて飛んでいたシルバーウィングはよろける事もなくランブルを受け止めると、パーツもランブルも落とさないように抱えて、サウンドウェーブの嘗てのラボへ向かう。
「シルバーウィングは落とさねぇよ。オレ知ってるぜー」
そりゃ、急ぎの場合は運んでやった事がある。それも何度も。だからと言って、確実では無いのだと言いたかったが、楽しそうなランブルを見て口を噤んだ。
「サウンドウェーブ!パーツ持って来たぜ」
今にもサウンドウェーブの方へ飛び降りそうなランブルを抱えたまま、ラボへ降り立ちランブルを床へ降ろしてやれば、一瞥の後にサウンドウェーブへ駆け寄るものだから、妙に微笑ましくて笑顔になっていた。
「良クヤッタ、ランブル。リターン……シルバーウィング、ソノ顔ヤメロ」
褒められて褒めての二人をニコニコして見ていたのを咎められても、怖くは無い。
「いやいや、良いじゃ無いのよ。アタシは好きよ」
「ウルサイ……リペアヲ手伝エ」
平和だった頃なら、もう少しからかって、あーだこーだ言い合って言葉遊びをしただろう。メガトロン様が其れを見て呆れた顔で、喧しいぞと言うのだ。
「あいよ。っと、もう少しでリペア終わるのね」
「アア、アト二箇所デ終ワル」
「そしたら、この放送も終わりね」
イヤでも聞こえるスタースクリームの声に流石にイライラが募る。けれどメガトロン様に御叱りを受けるであろう姿を想像しただけで、少し溜飲が下がった。
「ソウダ、モウ時期メガトロン様ガ戻ル……ソノ時ノ、スタースクリームガ見モノダナ」
「本当、楽しみよ。でも、メガトロン様はスタースクリームを御赦しになるでしょうね」
「コノ纏マリノ無イ、ディセプティコンヲ少シトハ言エ、纏メタ……スタースクリームガ謝レバ赦スダロウナ」
でも、そう言った評価をするメガトロン様を敬愛しているのは事実だ。あのお方は、光も闇も知っているからこそ、すべてに平等な評価を下す。そう言うところがプライム連中との違いでもあり、我々にとっての希望でもある。
「本当にメガトロン様以上のお方は居ないわ……」
「ディセプティコンノ優勢ハ変ワッテイナイ。メガトロン様ニ栄光ヲ」
「ええ、メガトロン様に栄光を」
All Hail Megatron
オール ヘイル メガトロンと口にするだけで、スパークがチリチリと興奮する。このスパークに誓った忠誠は永遠。
2018/08/13 up
2019/10/02 移動
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