7thJOJO/01/A

妙な夢だった。そう呟いて身支度をしていると何者かに話しかけられた。
「いいや、残念ながら夢じゃあないんだ」
その声は何故だか誕生日に買ってもらった6年前に出たばかりの最新型のパソコンのスピーカーから聞こえる。
「誰!?」
「自己紹介が遅れたな、私の名はスティール。君にスタンドを授けた張本人だ。
怖がらなくても良い、私は君に何もしない。
私は“特別な力が欲しい”と渇望している素質と勇気のある若者を探していた。そこで君を見つけ、その力を授けたのだ」
パソコン通信が出来るPCではあるが、こんな事って聞いた事がない。

「…おじさん、声からして結構いい年よね?自分で言って恥ずかしくならない?そのお花畑満載の妄想話」
夢は夢、特別な力だなんて…そんなものはファンタジー小説やコミックの中だけの話だ。現実にあったら便利だろうけど、あるわけが無い。

「信じられないなら先程与えた『スタンド』を呼んでみたまえ、君の目の前に現れるはずだ」

「…はぁ〜、付き合ってらんないわ。警察には届けないであげるから帰ってくれない?」

「やってみれば分かる。さあ名前を呼びなさい」

あまりのしつこさに呆れてしまうのも無理はないだろう。

「…『ディープ・パープル』
何も出ないわよ、これで気が済んだ?気が済んだのならサッサと帰り…?
き…きゃああああーッ!?」

ディープ・パープル、そう呼んでやればこのオジサンが満足して帰るなら…と夢で見た名前を呼べば、それは目の前に現れた。

「見えたね?それが君の『スタンド』だ」

「すた…んど?」

「簡単に説明すると超能力の一種だ。今、君の目の前にいる幽霊のようなもの…君の分身と言ってもいいだろう。
スタンドは原則として1つだけ特殊な能力を持つ。その能力は物理法則に左右されない能力だ。きっと君の強い味方になってくれるだろう」

「な…何の為にこんな事を?だいたいあなたは何者なの?」

「私はその『スタンド』のせいで死んだ者の魂の記憶。言わば録音されたテープのようなものだ。“ある事”を果たす為にこうして力を与えている」

「ある事?」

「…この世界の運命を変えて欲しいんだ。君にならそれができるはずだ。
いや、やらなくてはならないのだ。なぜなら…スタンド使いになった君は“ある人物”から命を狙われる事になったからだ。
その者の名はDIO!邪悪な吸血鬼だ!
街に出たら気をつけた方がいい…DIOが放った刺客共が襲ってくるはずだ。DIOに味方しない者を排除する為に、な…気をつけなさい」

「ちょっと待ってよ、命を狙われる?なんで私がそんな物騒な事に巻き込まれなきゃいけないのよ」

「…“力を持つ”という事は“敵を作り出す”と言うことでもある。これは君が望んだ結果なのだよ。
君は特別な力を欲しがった…『スタンド』、君が欲しかった『特別な力』だ。しかし力を持てば、それを求めたり許せない者にどちらにしろ狙われるのだよ」

「ふざけた話だわ…そっちの勝手で能力を与えておいて命を懸けろですって?」

「もう一度言うが、“君が望んだからスタンドが発現した”のだ。君自身がスタンドを呼び寄せたんだ。このままDIOを放置すれば君の家族や友人達も犠牲になるだろう。
望まなくとも“君がナプキンを取った”のだ。そこから運命がはじまるんだ。私にはその運命がうまく回るよう手助けしかできない。
さあ、もう『学校』へ行きなさい。いつものように『学校』へ…」

なんにせよ学校には行くつもりだ。少しばかりイラついたまま部屋から出ようとした時、スティールと名乗った男の声がラジオを渡して(?)来た。私はラジオを持っていないのに一体どこから…いや、もう何も言うまい。

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変わらない家族に挨拶ーーおはようと言って頬と頬を合わせてチュッとリップを鳴らす、を右の頬と左の頬でやるバーチと言うキスーーをして、朝食を軽く摂る。ミルクたっぷりのコーヒーに砂糖は入れない派だ。ナッツの入ったカリカリのビスコッティと、個人的な好みでタンパク質としての茹で卵か目玉焼きを2個、それからその時の季節の茹で野菜を適当な量…と言う洋食パターンか、典型的な和食かのどちらかを母が気分で用意してくれている。今日は洋食の日だった。
お弁当はいつも通りに美味しそうな至って普通のお弁当だ。母は一番得意なのはイタリアンだが、和食も美味しいものをいつも作ってくれる。教わりながらアレコレと姉と3人で作る日もある。

家を出て直ぐに見知らぬ不良に喧嘩を売られた。少し様子がおかしな男子は1人や2人じゃあないらしい。それに混ざるように、マトリョシカがバンバン体当たりして来る始末。