降谷さんの影なる協力者として、某グループ企業の子会社が運営する、取り引きにも使用するらしい喫茶店で夕方から9時までのアルバイトを続ける事になった僕は、組織の下っ端と言う扱いになり、化粧も降谷さんに教わって、元の顔とは違和感の無い程度に印象が違う様にしてある。と言っても、目立つクマを隠し、女らしい見た目にしただけだから、問題は無い。
バーボンの部下扱いとして、慇懃無礼気味な態度を安室さんに求められた。
元の口調を基にした態度にOKが出て、僕はバーボンの部下の間は、一人称を私と言う様になり、一応は女性的に振る舞うが、バーボンの命によっては男装して任にあたると言う設定になっている。
学校の成績が下がらない事を第一条件にされてしまったが、何ら問題は無い。と言うより、降谷さんの本来の性格というものがほんの少しだけ、分かった様に感じた。彼は大人として優しい人なんだろう。
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学校では変わらずミステリーに理解のある「僕」であり続けた。長兄がミステリー好きだからと言う理由で読み漁っていて良かった。
工藤くん達三人と共に過ごす日々は、自分を偽っているのに、中々に楽しくて、戸惑った。けれど、そう言う気持ちを気取られる事はしないようにしている。
そんなある日、トロピカルランドに工藤くんと毛利さんが二人で行くのだと聞いた。何でも、毛利さんが空手の都大会で優勝したお祝いだと言う。その前のイザコザは割愛する。
バーボンの部下になって、既に三か月が過ぎた。学校やバイトの時間は全て教えている為、なんの予定も無い時間には殆ど呼び出されては、彼の仕事を手伝っている。結構忙しいが、降谷さんの忙しさを思えばなんて事ないだろう。
工藤くん達がトロピカルランドへ行く予定の日だって、私はバーボンの表向きの仕事である探偵の助手と言う事になっているが、組織の仕事としての情報収集の補佐だった。喫茶店の方は、組織関連の店である為、幹部からの連絡があれば融通が効くのだが、彼はあまり其れを利用しない。
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学校に行って絶句しそうになった。
始まっていた。工藤新一が消え、江戸川コナンが現れた。昨日のトロピカルランドでジンとウォッカとか言う組織の幹部に会い、例の薬を飲まされたと言う事なる。さすがに組織の幹部がメインに行う取り引きの情報なんて、降りて来るはずが無い。下っ端まで巻き込んだ大掛かりな作戦ならまだしも、組織はそう言う目立つ事は避けるらしいから。
どうにか江戸川コナンに接触したい。それなら、毛利さんと鈴木さんとの接触を続ければ良い。そして其れは大当たりだった。江戸川くんの関わる事件の現場に居合わせる事は、毛利小五郎さんの個人の依頼先での事以外なら、と言う前提付きで、結構な頻度で可能だった。
そう言う場での言動から、こっそり「工藤くんだろ?」と江戸川くんに耳打ちしてみれば、凄い勢いで顔色が変わって可哀想なくらいだった。
「そんなに警戒しないでくれよ。そう言う事に関して、今度じっくり話したいんだ。」