変換無し
カミラ・ポッターには兄が居る。自意識過剰で我が儘で、世界は自分を中心に回っているのだと信じて疑わない様な兄の名はジェームズ・ポッター。
ジェームズはヘーゼル・ブラウンの目、癖の強い黒い髪は、寝癖の様に彼方此方が跳ねている。しょっちゅうカミラのノートや羽ペンを勝手に持って行き、返す時にはボロボロになっている。いや、カミラの元へ返ってくる物は未だマシだった。
せっかく書いた気になる魔法薬の作り方のノートも、単に薬草をスケッチしたノートも、返っては来なかった。
兄とは違う、ゴールドとイエローの混ざった様なアンバーの目とダークブロンドで毛先に少し癖のある髪は、有り難い事に、私達を兄妹だと思わせない。
だから、出来るだけ似ていない特徴を生かせる様に、髪は伸ばして目が悪くならない様に気を付けた。結局、目は悪くなってしまい、出来るだけ兄とは違うタイプの緩いキャッツアイタイプの眼鏡を選んだ。
***
私にホグワーツの入学許可証が届いた。両親は大喜びで、私にも色々と買い与えてくれた。けれどその中で私の手元に残るのは、きっと女の子っぽい色合いやデザインの物とスリザリンカラーの物だけだろう。だから、態とそう言う色合いの物を多めに選んだ。緑でも、極力シルバーが差し色になっている物を選び、ペットは珍しいシロフクロウを可愛いから選んだ。もっとかっこいいフクロウが欲しかったけれど、盗られたら辛いから、可愛い子にしておいた。兄はフクロウ持ってるけど、念のためだ。
ギリギリに家を出るハメになり、ホグワーツ特急で空いてるコンパートメントが見当たらなくて探していたら、新入生が一人と上級生が一人と言う、二人で居る場所を見つけて天の救いとばかりに、相席を頼んだ。
「すみません、相席をお願いしても良いですか?」
「僕は良いですよ。」
「好きにしたら良い。」
未だ私と同じで黒いネクタイの新入生の方は直ぐにどうぞと言ってくれて、上級生も嫌がらなかったから、有り難く相席させてもらう事にした。
「有り難うございます。」
礼を言って学校指定のトランクを、魔法で棚に上げて荷物の少ない、上級生側に座った。
「ねえ、スリザリンに入りたいの?」
新入生の男の子に聞かれて、頷いた。
「まあ選んで貰えたら、スリザリンが一番良いわ。もしグリフィンドールになったら、お先真っ暗よ」
兄を思い出すだけで眉間にシワがよる。
「へえ、どうして?」
「……貴方は知っているかも知れません、私の何処に出しても恥ずかしいグリフィンドールの兄の事を……。」
上級生ならきっと知っているだろう。
「僕が?ポッターか、例外のブラックか…その辺りが有名だが。」
やはり知られている。嫌な話だ。
「ええ、そのポッターと同じファミリーネームだというのは、間違いならどんなに良かったか。」
しみじみ言えば、二人共苦々しい表情になった。
「気持ちはよくわかります。僕の兄が例外のブラックですから。」
「悲しいけれど分かってもらえて良かったわ。私はカミラ、出来ればポッターとは呼ばないで欲しいわ。」
「ええ、よろしくカミラ。僕はレギュラス・ブラック。こちらは……」
「セブルス・スネイプだ。君たちの一つ上の学年だ。」
「よろしくお願いします。ミスター スネイプ。」