少しでも変えたくて

生まれ持った前世を全うした記憶を持って私は毛利蓮と言う女児として生まれた。蓮には蘭と言う双子の姉妹が居る。何方が姉だとか妹だとか、特に意識せずに仲良く育った。蘭と仲の良い園子ちゃんと新一くんとだって友達だった。其れなのに、ある日から急に新一くんが何だか他人行儀と言うか警戒している様な雰囲気で、前世が名字名前と言う別人だとバレてしまったのだろうかと、其れとも何か知らない間にやってしまって警戒されているのだろうかと、色々と考えた。
其れでも分からなかった私は、ただ記憶にある“名探偵コナン”の世界の少ない知識を活用出来るとは思っていないから、ただ将来の為にと、早々に剣道を習い始め、ひたすらに知識を詰め込んだ。



剣道を習い初めてしばらくして、同い年の剣道仲間であるアカネちゃんの家であるマンションに遊びに行っていた。
その日の稽古を終えての事だった為、二人とも遊びながらソファで、寝てしまっていた。ふと目が覚めて、私はアカネを起こしてオヤツを買いに行こうと誘った。コレが私とアカネだけで無く、もう一人の成人男性の命すら左右する行動だとは二人は思ってすらいなかった。
玄関を二人でお喋りしながら出たところで煙草に火をつけようとする男性と、男性の足元の何かを見て、私達は普通に「こんにちは!」と挨拶して階段へ向かおうとした。
「避難してない子供!?」
避難と言う言葉に二人はピタリと動きを止めて男性を振り返った。
「事件ですか?」
私の言葉に男性は私達へ駆け寄って来たと思うと、両脇に抱えられていた。
「爆弾がこのマンションに仕掛けられてるんだ!早く逃げないと!」
階段を降りながら言う男性の言葉に、ぞっとした。爆弾はその場で解体しても無力化された訳じゃあないと、私でも知っている。
「分かりました。自分で走れるよね?アカネ!」
「うん!大丈夫!」
「分かった。下ろすけど、ちゃんと逃げるんだよ!」
一階下のフロアで二人を下ろして戻ろうとする男性を私は引き止めた。
「待って!爆弾は液体窒素で処理して有るんですか?していないなら、液体窒素を持った処理班が来るまで離れていないと!」
其れとも温度感知型で液体窒素がダメなパターンだったら、バラしてしまわないとなら無いが……私には未だ良く分からない。
「そうだね、一緒に逃げよう。」
三人で駆け下りる途中で爆発音が数階上で響き、ハッと息を呑んだ。
「っ!急ぎましょう…いつ崩れてもおかしくは、無いでしょうから…!」




少ない知識では、毛利家は別居中だったはずだが、