はずだったのだが…いつの間にか見知らぬ場所に居た。炎を出したらしい喋る青い狸…いや懐かしのアニメの猫型ロボットでは無い。そいつよりも気になるのは、棺が沢山浮いた空間だ。
「棺がこんなに浮いている…なんだこの夢は?」
と、名前が無視した形になったのが気に食わないらしい狸が身ぐるみを剥ごうとしてきた。しかも丸焼きだとの脅し付きで。名前には効かない脅しだが、そうと知る由もない狸は炎を吐き出して来た。
「狸に丸焼きにされるとは、流石に初めての経験」
夢では無いと分かっている名前は冷静に呟いた。
「だから狸じゃねーって言ってんだろ!」
もしも自身の知らない世界の知らない呪法での炎の場合は、対処に手間取る可能性も有る。名前は辺りの様子を窺う事にもなろうと判断し、その場を駆け出した。
中々に美しい城の庭や廊下を駆け、図書室であろう場所に来た時、狸に追い付かれた。此処までに何某かと出会えればとの魂胆も有ったが残念ながら出会えず仕舞いだ。
と、狸が更に炎を出そうとするが、タイミング良く革製の紐が狸を縛り上げた。
「紐では有りません。愛の鞭です!」
そう声を発した男は烏の面を被っていた。そして新入生だと決めつけられて鏡の間へと逆戻りだった。
分かった事は、此処はナイトレイブンカレッジと言う魔法を学ぶ学校で、烏の面を被った男はディア・クロウリーと言う名の学園長であると言う事、この世界はツイステッドワンダーランドと言う世界線らしい事だった。
闇の鏡、其れが生徒を選別するらしい。名前にとっては何とも懐かしい感覚だ。かつての学び舎を思い起こす魔法学校に組み分けの儀式。帽子では無く鏡が行うらしいが、遠い昔を思い出して名前は少ししんみりしていた。
だから、鏡が私の組み分けが出来ぬと、相応しい魔力が無いと言った時、カッと神の眷属と化して変質した魔力…いや御稜威が膨れ上がるのを感じて、即座に抑え込んだ。
「あら、ちょっと苛立っちゃただけじゃ無い?私に何の力も無いのに連れて来たと言うのならば、其れ相応の対価が必要なのよね…私も私の
「ちょっと待って下さい!この選別は自動なんですよ!私、関係有りません!」
「ふうん?ま、良いわ。