好き
入学してからずっと、サバナクロー寮生が優しい。はっきりした優しさじゃあ無いけど、困ったなって思ってると、高い場所の物を取ってくれたり、私を気に喰わないらしい生徒に絡まれてると、私を無視して向こうに絡んだり、逆に私を呼びに来て連れ出してくれたりする。
助けてくれる理由は良く分からないけど、正直言って助かっていた。元々、動物は好きだったから、彼らのケモ耳と尻尾に気付いた時は感動した。獣人がこの世界には居るんだって驚いたけど、内心はテンション上がってた。
其れもあって、最近優しいのは嬉しかった。子供の頃に憧れたサバンナ等の生き物と同じ特徴を持つ彼らが優しくしてくれて、良い感情を抱かない訳が無かった。
彼らが行動する程に、私は懐いたんだと思う。ジャックくんにもレオナさんやラギーくんにも、当然の様に懐いた。
だから、彼らがマジフトでディアソムニアに勝つ為にと画作したと知った時、レオナさんの事を優しいって思った。
「レオナさん!」
ラギーを乾涸びさせようとするレオナさんに向かって走った。ジャックくんに止められたけど気にしてられなかった。
「レオナさん!」
「なんだ、お前もして欲しいか」
ラギーくんを捕らえる腕に抱き付いて呼びかけても、応えてくれない。
私では助けられないの?こんなにも苦しんでるのはレオナさんなのに。
「レオナさん…もう休みましょう…貴方だって…ああ!」
「アキ…お前も、砂にしてやるよ」
哄笑が響いて、ラギーくんは放り投げられて、私にその手が近付いた。その手をすり抜けて胸に抱き付いた。死を覚悟していた。涙は直ぐに蒸発して喉も唇も乾いていく。
死ぬなら、せめて好きって言いたかったけど、もう声も出ないから、ただその胸に額をすり付けた。
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