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私は、妹に誘われて始めたゲームの世界に来てしまったらしい。設定資料集を買った程度にハマっていた私は、配信中のストーリーには追い付けて居ないが、原作より前の時間軸だと言うのは分かった。
そして、入学に合わせた様に16歳の身体に若返っている不思議な現象も無いし、当たり前の様に魔法なんて使えない上に、やっぱり此処は男子校であり私は女である。
その上、日本人女性の平均的な身長は158cmらしい事を踏まえてたとしても、身長の低めな145cmの私にとって、此処の方々の身長とかデカ過ぎて草も生えないレベルだったよ。まあ16歳の頃から身長は殆ど伸びて無いし大差は無い。
学園長も身長高いんだったな。なんて現実逃避しても、結局は帰れる訳でも無しに、此処に置いてもらえる事になった。
学園長は何だかんだ、帰る方法を探してくれるとの事で、やっぱりオンボロな建物に住む事となった。その上に異世界人故の無知はリスキーだとの事で(私も同意見だ。)、此処は学び舎故に此処で少しでも学びなさいと、生活費を学園長が援助してくれると言う。代わりに雑用をして貰うと言われたが、其れでも申し訳ないと思い、何か公的な援助的な物とか無いんだろうか?と聞けば、学園長はアレが使えるかも知れない、とか、だったらコチラの方が…と色々と資料を取り寄せてくれる事になった。
てんでバラバラなラインナップのシャンプーや石鹸をはじめとした基礎化粧品も含む様々な試供品っぽいミニボトルに、これしか無かったらしい大きいワイシャツ等の、色んな人から掻き集めました、と言わんばかりの日用品の数々を詰め込んだバスケットを渡されて、案内された住処は実家のオンボロ具合に近かったので、掃除さえ確りして仕舞えば何とかなりそうだった。
「あり合わせですが、一先ずは其れで凌いで下さい。制服は今からの採寸では明日に間に合いませんので、在庫の中から身長に合わせた物を持って来ました。取り敢えずは、此れを使用しておくように。マア、ベストは…色変え魔法で黒にしておきましたから大丈夫でしょう。」
そう言って渡された制服は全部黒だったが、問題無い。コレはコレでカッコイイと思う。そして其れ以上に有り難くて、ちょっと涙が浮かんで来た。
「何から何まで有り難う御座います。」
深々と頭を下げれば、涙が溢れそうで、瞬きを我慢してどうにかしようとしたけれど、思いの外、堪えていたらしい。涙は溢れてしまった。
「良いんですよ。私、優しいので。」
なんて言う学園長の言葉は、ゲームで聞いた時よりずっと、心に沁みた。
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