深海の商人と監督生
監督生は正直言って、このイソギンチャク達は自己責任としか思えなかった。契約をしているのは其々の自由意志でしか無い。強制された訳でも無い。だから、この他力本願な同じクラスの2人と1匹に苛立っていた。むしろ、オクタヴィネルの3人には怒り無い。其れどころか、この世界で16年程生きて来た筈なのに、この世界の常識すら知らないレベルの監督生と変わらない程に、レポートの評価が低い彼らが、80点代を取れるだけの対策ノートを作り上げたのが、このオクタヴィネル寮の寮長アズール・アーシェングロットであると知って、尊敬の念すら抱いていた。
なので、立ち退きと言う事なら、同等の住処さえ用意して貰えたら、其れで十分だと思っていた。もう学園長に依頼されている事も含めて、此処で言ってしまおうと監督生は思い至った。

「あのですね、このイソギンチャク事件を如何にかしろと学園長に生活費を盾に言われているんですよ。ですけど、そう言う話でしたら、オンボロ寮は学園の物ですので学園長にお話をお願いします。そして、その博物館からの写真の強盗は出来かねます。よって私は契約は出来ません。」

「あの、イソギンチャクをくっ付けたまま帰省しては色々と障りが有りますよね?ですから、アーシェングロット先輩はホリデー前には外されるのではないかと考えているんです。何より、彼らの仕事振りは悲惨な物ですし…お店の利点にならないと思います。」
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