リンの故郷3
リンはディステニーの解説の中盤から最終局面で完全に目を閉じて、両肘をデスクの上に置き手を組んで顔の前に組んでいた。言うなればゲンドウポーズである。
「で、監督生くんが説明したお話しは、貴女の世界と何か関係がありました?」
微動だにしなかったリンはパチリと目を開けて、クロウリーを見上げた。
「ああ、私が居た世界でした。ですが学園長、申し訳ないのですが私の帰り方は探さずとも結構です。」
「それは一体なぜです?」
「端的に言えば、帰る理由がなくなったという事です。さて、他に質問はありますか?」
「あの、私も質問してもいいですか?」
「どうぞ」
「リンさんは、どこの生まれで……どこに所属していたんですか?」
「生まれはオーブ首長国連邦。所属はザフト。」
「じゃあ、シンみたいなコーディネイターなんですか?」
「純然たるナチュラル。」
「ザフトでの地位は?」
「クルーゼ隊のパイロット。」
「赤服だったんですか?」
「そうだよ。」
「ミーアとの関係は?」
「あの子は私の姪だ。」
「じゃあ、デュランダルのしたことを恨みますか?」
「守ってやれなかった私が悪い。ギルは……アレなりの居場所だろうな。不器用で捻くれた男だ。」
「知り合いなんですか?」
「私とラウ・ル・クルーゼは同期で友人だ。そこから知り合った。」
騒めきすら起こらない教室で2人の問答だけが続いていく。
「じゃ、じゃあ……クルーゼの行動は、知っていたんですか?」
いつもより悪そうな顔でリンは笑った。
「どちらだと思う?」
息を飲む音がした。
「何を期待したのか知らないけれど、知っていたわ。むしろ私は全てをひっくるめて、彼の部下だったの。アズラエルとの繋ぎを作ったのは私だもの。」
「せ、世界を滅ぼしても良いって思っていたんですか?そんな……」
「いいえ?私は彼の部下。彼の望むままに動くだけよ。」
16/17
prev next△