1-5

全長約一メートルの刀が、あった。
ふわりと桜の花弁が舞い上がり眩ゆい光に包まれた。

「……江雪左文字と申します。戦いが、この世から消える日はあるのでしょうか……?」

水色の長く美しい髪、黒と白の袈裟に鎧袖のお坊さんの様な出立ちの長身白皙の美丈夫がそこには居た。
彼が板部岡江雪斎の佩刀で、北条から徳川へ渡り、紀州徳川家の家宝として長くあった国宝、江雪左文字。

「私は濃紫と言います。この戦いを少しでも終わりに近付ける為、私は貴方の力を貸して欲しく思います。戦いの経験も教育もされておりませんので至らぬところも多いでしょうが、私の始まりの一振りとして此れから宜しく頼みます、江雪左文字さん。」




***

2022/09/27 最終更新