1-4

本丸の正面玄関を通り過ぎて勝手口に向かう。私の家になるのなら、ここから入るのが妥当だ。
勝手口は中々に広めにとってあり悪くない。

「審神者様、お待ちしておりました。」

ちょっと慌てた様に駆けてくる隈取り化粧の二頭身なキツネ……リアルこんのすけはモフモフしてそうな毛並みだ。

「君がこんのすけ?」

「はい!案内の職員に聞いたのですね。私こんのすけがコチラでの案内人を務めさせて頂きますので、以後お見知り置きを。早速ですが、時の政府より就任時の支給として木炭、玉鋼、冷却材、砥石をそれぞれ700と依頼札一枚、手伝い札一枚を支給させて頂きます。
では初めての鍛刀からです!」

ーーー始まりの五振りが居ないの草……じゃないのよ。

分かってはいた。五振りから選ぶ云々の話も無かったのだ。だったらせめて各1500の資材が欲しい!と強く思った。けれど、これまでの全滅に流石に焦りがあるのか何なのかは知らないが支給資材が少し増えている。

「分かりました。案内をお願いします。」

こちらです!とトコトコ歩く姿は可愛い。そう遠くはない廊下の案内がてら、短刀、脇差、打刀、太刀、大太刀、薙刀、槍が現在は鍛刀で来てくれる事、彼らは神の末席に座す存在である事等を、ちょこちょこ説明をしてくれるのも有り難い。
この召集が始まり五年程経っている為、まあ特命調査組を除いたとしても白山くんあたりまでの実装かと思っていたが……なんのなんの、甘かった。
つい先日、源氏兄弟の顕現許可が出たんだそうな……おっそくない?まあ実際の戦争だとしても、もう五年だぞ?と冷や汗が出た。
しかし打刀か脇差を最初に持って来たかったが、私財を投入しようにも資材を買う為の小判への換金レートは小判一枚で十万円、そして資材200買うのに小判五枚だった。其れだと直ぐにお金が無くなる。なけなしの貯金は食糧や日用品を買う方に充てよう。

「ええと、全部50ずつで短刀が来てくれるのよね。100から400で脇差の可能性、400で打刀の可能性、500で太刀等の可能性……それ以上は未だ関係ないか。」

ゲームのレシピほど細分化されて無いのか、発見されていないのかまでは分からないが、大体は同じなのだろう。まさかオール500で槍は来ないだろう。大抵は打刀だ。
まあここは無難にレア2打刀さんに来て貰おうかな。確か100-400-200-50だったはず。それとも完全に運って事でオール500注ぎ込んでみるとか?どっちも良いな。

「ではオール500で鍛刀をお願いします。」

きょとんとしたこんのすけにニッコリと笑ってもう一度、オール500ですと言えば本当に良いんですか?と言われる。その気持ちも分かるが、決めたものは決めたのだ。

「ええ、勿論です。どんな方が来て下さるかお待ちしましょうね。」
鍛刀部屋に居た妖精さんに、お気に入りの蜂蜜飴を豆皿に乗せて此れから宜しくお願いします、と挨拶すれば、とても良い笑顔で応えてくれた。こっちも可愛い。

「こちらの電光版に炉の鍛刀時間が表示されるのですが……え!三時間二十分、ですね。」
驚いてモフモフの毛がブワっと広がっているのは面白いが、これには濃紫も驚いた。
初期の人員として庭仕事や雑用も一緒にこなしてくれる打刀か太刀あたりだと嬉しいと思いはしたが、別段誰も思い浮かべていなかった。この時間は確実にレア太刀である。

***

2022/09/27 最終更新