魔法も陰陽術も武術だって
古今東西の術や言語を学び、外国の術師全般が殆どの場合、武術が出来ぬと知ったのは既に、妙に実践的な剣術を身に付けた後だった。父は体を鍛える事は精神にも作用し、術師にとっても必要であると考えているらしい。まあ確かに体力が有る方が研究も捗るし、多少の無理という奴をしても案外平気なのは、この基礎体力のお陰だと夏乃は思っている。
魔法処を卒業して、実家で家業の手伝いをしながら興味の有るモノを片っ端から研究し続けていた夏乃は、学生時代に世話になった留学先の教授に会おうと国を出た。其処で噂には聞いていたが思いの外すげー事になっていたらしい英国の地で内戦に巻き込まれた。
そして、冗談じゃないぞと傷口を押さえ走っていた夏乃は見知らぬ廊下の様な扉だらけの部屋に居て、知らない男に「次」とか言われて、扉に吸い込まれ、いつの間にか気絶していた。
気が付いたら、何処かの廃墟に寝かされていた。一応は誰かに助けられたらしい。起き上がり感じる視線の方を向くとオジサンがいた。右目を眼帯で隠したセミロングの黒い髪のボロい和装の男。
「おはようございます。」
起きて誰かと会ったら挨拶。染み込んだ癖は此処でも自然と挨拶をしていた。
「お、もう夜だけどねえ」