01. 水色きらきら
ガコンッ、と出てきたスポーツドリンクを自販機から取り出した。中を開けて一口飲む。その冷たさが体にしみ渡る心地よさを感じた。
「あ、泉だ」
九組に戻る途中に横から声が聞こえて、顔を向けると教室から水谷が手を振っていた。阿部も花井もこっちを見ている。
「あれ、田島と三橋は?」
「あいつらは教室で寝てる」
じゃあこっちにおいでよ。そう言う水谷に従って七組にお邪魔することにした。だって今教室に戻っても暇だし。
水谷たちがいるのは廊下側の真ん中ぐらい席だったから、前のドアから入ったほうが近い。並んだ机の間を通ってあいつらの所に向かうけれど、床にでっかい鞄が置いてあったりして何とも通りづらい。回り道するのも何だか癪だし、跨いで通ってやろうか。そう心の中で悪態をつきながらふとその隣の席を見ると、そこに座っていた女子と目が合った。
「…っうわ!」
そいつに気をとられて、鞄に足を引っかけ前のめりになった。何とか手を床について顔が床に接触する事はなかったけれど。
「大丈夫?」
頭上から声がして、顔を上げると先ほどの女子が俺を見ていた。手には俺がさっき買ったばかりのペットボトル。つまずいた時に飛ばしたのか…。
「…わり、」
そいつからペットボトルを受け取り、急いで水谷たちの所に向かった。ああ、何か恥ずかしい。つまずいたなんて、ましてや見られたなんてすごく恥ずかしいじゃん。
三人の所まで来ると、花井は何だか心配そうな顔をしていたけど、他の二人は肩を揺らして笑っていた。イラッときた。
「大丈夫か、泉」
「ん、まあ…。てかあんな所に鞄置くなよなー」
「ごめん、あれ俺の」
「阿部、お前かよ!」
ニヤニヤとしながら言ってのけた阿部を一発殴る。フェアだよな、これくらい。
ひゃあひゃあと未だに笑い続けている水谷も、その間抜け面にむかついたからついでに殴っておいた。人の不幸を笑うほうが悪い、ざまあみろ。
100415
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