SKIT
「あら。珍しいわね、本を読んでいるなんて」
「リフィルさん。……その言い方だと、まるで本を読むのが苦手な人みたいでちょっと気になるけど……その、刺繍の図面に選ぶの、何がいいかなって」
「なるほどね。……そうだわ、リーガル。あなた、何かテセアラで好まれている図柄などは知っていて?」
「縁起がいい、と好まれるものはいくつか知っているが、どちらかというとビジネスや慣習的な印象の強いものばかりだ。一般市民の若者にも同じように好まれるか、と問われると、やはりキャラクターもののデザインの方が、根強い人気がある」
「は〜……テセアラにも人気のキャラクターとかってあるんですね」
「以前、アルタミラへ行っただろう。あそこでも子供向けにキャラクター商品を展開していたはずだ」
「ああ、なんか、黒いわんちゃんみたいな……ありましたね」
「それなら、もういっそ、あなたが描いたノイシュなんていいんじゃないかしら」
「ええ?」
「ほう。そうだな。確かに彼は、ノイシュとも仲良くしているようであった」
「え、絵心、ないんですけど……」
「あなたが頑張って、ミトスのために作った、という事実が、きっと彼は一番喜ぶと思うわ」
「間違いない。自信を持つといい」
「う……が、がんばります……」