未定









――観測


――観測…開始…


鏡に右の掌を付け、瞼を閉じる。いつもの宇宙だ。月へ降り立って、再び目を閉じて耳をすませる。無音な場所。何のノイズも聞こえない。今日も大丈夫。そうしていつもの確認を終えて、沈めていた意識を宇宙から切り離す。自分の部屋に戻ってきているのを確認し、鏡から手を離した。


「…今日も異常なし。」












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