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葉と竜、そしてファウストという新メンバー(?)を加えチームふんばり温泉は初試合で見事白星をあげた。
内容としてはとても見応えのあるもので、相手チームや葉達の連携は私らとは全然比べ物にならなかった。
ファウストの圧倒的な強さとダメージコントロールは素晴らしいものだったし、竜は数ヶ月前よりもっと強くなっていた。身のこなしは勿論、より練度の高いO.S.で相手のチームの巫力を削っていく。
しかし敵も負けてない。どんな事をしたらここまで凄い連携が出来るのか、正直私らが相手だったらこっちが負けんじゃないかって思う程だった…がそこは葉の動きで制した。
一瞬のよそ見も出来ない試合に決着が着き、審判が漸く終了を告げるコールを入れると同じタイミングで何処からか視線を感じるもんだから、ふと目線をステージから上げると向こう側に居た私の大きな悩みのタネである少年と目が合った。


海から吹き付ける風は夜間だし、特に目立った建物もなく冷めた磯風が直に来るもんだからとても寒かった。
悴む指先を擦り合わせ、潜むように岩陰に座り込む私は葉とリゼルグの他愛ない会話を盗み聞いている。
どうして私がこんな素行の悪い事をしているのかと言うと、ふんばり温泉チームの試合直後に突然葉に連れ出されたと思いきや行った先がX-LAWSの拠点。嫌な予感がして思わず隠れたところにリゼルグがやってきた。
そのまま出るに出れなくて、今こんなみっともない事をしている。
気さくな雰囲気でひょっこり顔を出すの、なんか違う気がするし…なにより勝手に抱えている彼への罪悪感のせいで顔を合わせづらい。
ハオにからかわれひどく動揺し他の事を深く考えられなかったあの時の私の言葉で…リゼルグが整えられすぎた正義の道に歩んでしまったかもしれない…

「リリカ、岩場で悩むよりこっち来て吐き出した方がいいぞ」
「えっ、リリカも居たの!?」
「……お、おっす…久しぶりじゃん」

すげータイミング。嫌な思考回路に陥る寸でのとこで葉が声をかけてきた。
私もこの場に同席していたと言う事を初めて知り目を丸くさせるリゼルグに、今は雑な挨拶しかできなかった。