ディア・プランビー
20.筋その後私の体調が良くなるまでリョーマは試合の日も一人でコートに向かった。その初戦を私はホテルの部屋から中継で観戦した。これまで試合は現地で見ていたから不思議な感じだ。朝まで一緒にいた人がテレビに映っているということもまた、不思議な感じ。
試合が始まる。カメラがコートを映す。その様子がこれまでの雰囲気とは全く違うことに気付いた。全豪やロッテルダムでは青や緑の硬式のいわゆるハードコートだった。しかし映し出されているのは、赤土。クレーコートだ。
ブエノスアイレスのトーナメントはATP250の大会。250とは優勝時にランキングに加算されるポイント数のことで、例えばATP500なら500ポイント、マスターズ1000では1000ポイント入る。グランドスラムともなれば2000ポイントだ。だから規模やレベルとしてはこれまで出た大会よりは劣るのかもしれないけれど、リョーマにとってクレーコートとは簡単なものではないらしい。
コートの中のリョーマはいつもより険しい顔をしていて、最後の点を獲ったとき彼は安心したように肩の力を抜いた。
試合を終えてホテルに戻ったリョーマに尋ねてみた。
「コートが変わると全然違う?」
ソファに沈み込んだリョーマに声をかけてみる。少し黙った後、小さく「全然違う」と言った。
「ボールが滑ってスピンが効かない。スピード全然出ないくせによく跳ねるからラリーが続く。全然違う。」
「そっか…土ってことは足も滑りそうだね。」
「そ。まあ、こういうのも含めて面白いんだけどね。」
むくりと体を上げてリョーマは「飯行こ」と言って部屋を出ていく。心なしか元気がない。リョーマはテニスにおいてその戦績や振る舞いから“天才”だと称される。でも全く苦労をしていないってわけではなくて、その泥臭い部分を易々と人に見せないだけだ。
手早く食事を済ませ、部屋でシャワーを済ませた彼は私を膝に呼ぶ。触れるだけのキスをする。包み込むだけのハグをする。これでリョーマの気分が少しでも紛れるのなら、いくらでも応えたい。いつもより言葉数の少ない夜を過ごす。
体調がよくなり私は2回戦から現地で観戦をした。苦戦しながらも駒を進め、リョーマは準決勝まで辿り着いた。拮抗した点の取り合い。相手の意表をつくドロップにリョーマはコートに足を滑らせた。それが相手のセットポイントとなり、ここで敗戦となった。
相手と握手を交わしコートを出ていくリョーマの表情は、これまで見てきたものとは少し違って見えた。クレーコートという課題に対するプレッシャーなのか、分からないけれど、確実に焦りのようなものが顔に浮かんでいる。あまり前向きではない負け方なのだと察した。
いつものようにロビーで待ち合わせする。ベンチで待っているとリョーマはこちらに向かってきたのだが、珍しく彼を担当しているトレーナー、フィジオの男性がリョーマのバッグを担いで共にやってきた。
負けた試合の後だからか彼らは無言で、空気が重く感じる。リョーマは私の隣に座った。フィジオさんは荷物を足元に下ろし、そして突然、私に向かってこう言い出した。
「名前さん、帰りの車中の飲み物でもどうかな。僕が奢るよ。」
「…?はい、ありがとうございます…?」
彼は冷静な目のまま私を見下ろしていた。真意が読めず、でも断る口実もなかったので立ちあがろうとすると、リョーマの腕が伸びてきて私を座らせた。驚いてその顔を見れば、目を伏せ下を向いている。
「…何。もっとまともな嘘がつけないわけ?」
リョーマは重いため息をついた。一瞬ギクッとしたけれどその言葉は私ではなくフィジオの彼へ向けられていた。険悪な雰囲気に居心地が悪く、私は気配を殺すように肩を窄めた。
「嘘?君が言えたことじゃないね。」
「彼女に言いたいことがあるなら俺から言うから。あとでメッセージでも送ってよ。」
「信用できない。だから僕から伝える。正確な情報をね。」
「別にいいって。騒ぎすぎ。」
「足首。」
「ちょっと!」
「…?」
「名前さん。リョーマ、怪我してるから。」
え、
フィジオさんの言葉に耳を疑う。
ケガ? リョーマが、怪我?
「それってどういう、」
「名前、違うから。この人が大袈裟に言ってるだけ。」
「痛めているのは事実だ。捻ったのが最後のラリーだったのが不幸中の幸いだよ。だから僕から言いたいのは、彼に無理をさせないで、ってこと。」
「…」
リョーマは押し黙ってしまった。
その足首に目を向ければ、確かに片側だけ靴紐が緩められていた。
「捻挫までじゃないけど念の為。今はガチガチに固定してるし歩けない程のものではないけど、安静が一番だ。リョーマは絶対に君に隠すと思ったから伝えにきた。名前さん、休暇中リョーマのこと頼んだよ。」
「あのさあ、余計なこと言わないでよ。彼女はケア要因じゃない。」
「僕たちは君を勝たせるために動いてる。君のテニスに同行してるなら彼女だってチームも同然だろう。それが連帯であり責任だ。言わせてもらうが、リョーマのテニスのために働けないのなら今すぐ国に帰すべきだよ。」
「…」
グサリとその言葉が突き刺さる。正論だ。返す言葉がない。リョーマも言葉を詰まらせたのが分かった。
「…でもさすがに言い過ぎ。彼女の前で話すことじゃないよ。」
「今の君は両立できていない。恋人の前でかっこつけたい気持ちはわかるさ。でもテニスができてこそだろ。怪我を誤魔化すとか、甘く見るとか、少なくとも去年の君ならしなかったし、僕とはそういう約束をしているよね。何故それが彼女となるとできないんだ。」
「…」
「嫌な言い方をして悪いね。僕だって君が大事なんだ。どうしても君が彼女と共有できないというのなら、僕が君の家までついていって君の世話をしたって構わないんだよ。」
「わかったよ…。それは勘弁。」
「それでいい。じゃあ、名前さん。頼んだよ。」
「はい。」
試合会場を出て、ホテルまで戻った。
道中リョーマはずっと無言だった。
部屋に入るなりリョーマはベッドに倒れ込んだ。
「痛むの…?」
「今はそんなに。本当だよ。それより疲れたってだけ。」
そうだ、怪我の話ですっかり頭はそのことでいっぱいだったけれど、試合の後だった。ただでさえ体力的にきついだろうに。
「私に何ができる…?」
私もベッドに上がり、リョーマの枕元に座った。
「いてくれるだけでいいよ。」
「でも、私も何か、」
「名前。」
リョーマは私を見上げて手を伸ばした。優しく頬を撫でくれるその手のひらをとると、朝には無かったテープが貼られていてその下で血が滲んでいる。また新しく豆が潰れていて、痛いに決まっているのに、と私の方が悔しくなってしまう。足だってきっと、痛いはずなのに。
「ついてきて欲しいって言ったのは、名前のそばにいたかったからだよ。」
優しい声。優しい手。リョーマは私の指握り返して瞼を閉じた。
「それだけで、本当によかった。名前が笑ってくれるだけで。だから心配かけたくなかった。…言いたくなかったわけじゃないから。それは分かって。」
「うん、分かる、分かってるよ。でも私だって、リョーマのために何かしたいの。」
守られてるだけなのは嫌だ。
何故嫌なのか。大人しく守られていればそれで穏便に回るのに。でも私はそれでは自分が消え入りそうに思えてしまうんだ。日本を出て、私はいつも肩身が狭かった。知らないということは不安で不安で堪らない。今もだ。私はリョーマのために何かをして、役割を得て、自分はここにいていいのだと証明が欲しいんだ。
沈黙が続く。言いたいことは山ほどある。でも上手く言えない。言葉を選ぶ。言いたいだけの言葉じゃなくて、本当に伝えたいことを考える。
「…今は、怪我を治すことを第一に考えよう。リョーマには楽しくテニスをしててほしい。それが私にとって一番だから。」
「………うん。」
リョーマの髪を撫でれば、ポロポロと殻が剥がれるようにリョーマの力は抜けていく。ツアーが始まってもう二ヶ月が経とうとしている。彼の弱いところ、脆いところ。少しずつ見えてきた。隠したいのも、虚勢をはりたいのも、分かる。分かるよ。私もそうだもん。でもやっぱり、その本音が見えてくると受け取る側は安心する。心配をかけたくないのも本当、でもつらいとき、つらい気持ちはどう取り繕ったって消えないしこれも本当。
その視線が不意にこちらに向けられて、私は笑って見せる。するとリョーマは堪えるように顔を一瞬歪めて、そして座っている私の膝に頭を乗せてきた。同時に、まるで縋るように腰に腕を回される。リョーマは消え入りそうな声でこう言った。
「帰らないで。」
「うん、帰らないよ。リョーマといる。」
「名前と一緒がいい。」
「うん。いるよ。」
「………来年もいて。今年だけなんて、やだ。」
「…」
胸が張り裂けそうだ。
無理を言っている、それはリョーマだって分かって伝えてくれている。インターンの立場で得れたリモート期間は一年だ。その後もリョーマの同行を続けるというのがどういうことなのか知らずに言っているわけではないだろう。
でもこんなに心を晒してくれたことが嬉しくて、きつく抱きしめてくるその大きな体を撫でた。
「うん、私も、リョーマのそばにいたい。」
これも本音。いつか出さなきゃいけない答え。でもやっぱり大事なのは今だ。安心してほしくてただその頭をしばらく撫で続けた。
次の日の朝、別室に滞在しているフィジオさんが私たちの部屋にやってきた。
「ここを固定したいから、この部分をしっかり締めて。弛まないように。」
リョーマの足首にテーピングを巻く手順を教わる。今日ロサンゼルスの家に帰るのでその間はリョーマが自分でできるように。そして私にもできるように。
「血行悪くなると治りが遅れるから夜寝る時は外して。今後2日はコート練習は無し。やってもサーブだけ。ジム中心にね。」
「了解。」
「体力落ちすぎもいけないから適度に動く分には問題ない。ただ、下手に片足庇ってると体のバランス崩れるから気をつけて。歩行も可能だし車の運転もしていいよ。夜の方は、まあ任せるけど、くれぐれも無理のないように。」
「はいはい。」
「….。」
夜の方、とは、つまりそれだ。リョーマの体のことだから、そういうことも管理の内だ。分かっているけれど毎回このような話が出ると私は動揺してしまう。まるでベッドを覗き見されているようで。でも平然と次の話題に移ろう彼らの様子に、私は顔に出さないよう冷静を装った。
「今回みたいに筋を痛める程度の不調はツアーやってれば日常茶飯事だし、全くの健康体でプレイしてる選手のが少ないくらいだ。でもだからって甘く見たらだめだ。君はまだ18歳で体も完成していない。拗らせたら次のインディアンウェルズの棄権も検討するからそのつもりで。」
彼は淡々と伝えて部屋を出ていった。
その後私たちもホテルをチェックアウトして空港に向かい、ロサンゼルスのリョーマの家に戻った。
夜、風呂に入るときにリョーマは自分の手でサポーターを外したけれど、朝には私にその装着を頼んできた。任せてくれることが嬉しかった。リョーマの力になれている気がして。きっと助けられているのは私の方だ。
何日か穏やかな日常を過ごして、5日経った頃フィジオさんのお墨付きでリョーマは足の固定から解放された。
「少し歩こうか。」
次の大会に向かう日の朝、リョーマは私を散歩に連れ出した。2月が終わろうとしている。初めてこの家に来た日より日差しが柔らかく、空気は少し暖かさを含みつつある。
「よかった、足よくなって。」
「心配かけたね。」
「うん。心配くらい、いくらでもさせてよ。」
リョーマは以前と変わらない足取りで海沿いの歩道を歩いた。海の向こうから吹く風はまだ冷たいけれど少しずつ季節が変わろうとしているのが分かる。
「体、つらいよね。手も、ずっと豆あるもんね。」
「これはもう治らないだろうね。慣れっこだよ。」
潰れてしまった手のひらの豆だって、治る前に次の試合がある。塞がってはまた剥けて、硬化していく。リョーマの手はボロボロだ。
「でもつらいことだけじゃなかったよ。名前がリードしてくれたのは悪くなかったからまた怪我してもいいかなって。」
「馬鹿なこと言わないで。」
いつかの夜のことを掘り返してリョーマは悪戯っぽく笑った。体力を持て余したリョーマに誘われて、私はリョーマの上に跨り主導する羽目になった。嫌じゃないけど恥ずかしいから私としてはもう勘弁してほしい。いたたまれなくて慌てて話題を変えた。
「…次はインディアンウェルズ?」
「そ。期間中はまたホテル暮らしだけど今回は飛行機乗らないから名前も楽かも。」
「車で行くの?」
「そ。俺の車で。片道2時間くらいかな。」
「運転大変じゃない?」
「いや?俺は結構好き。息抜きになるじゃん。」
私も国際免許を申請すればアメリカでも運転できるのだろうけれど、慣れない車線、左ハンドル、リョーマを安全に送り届けるにはあまりにプレッシャーが重い。リョーマがそう言うならここは甘えよう。
海の眺めながら近所を一周し、次の大会に向けまた私たちは荷造りを始めた。
次のトーナメントはインディアンウェルズと、マイアミオープン。
どちらもアメリカ国内で開催されるマスターズ1000の大会で、この二大会は注目度が高く、春の祭典と呼ばれている。賑やかな大会の雰囲気がまた戻ってきた。
インディアンウェルズはリョーマの地元からそう離れていないため移動疲れが最小限で、リョーマはいつもよりリラックスしているように見えた。時差調整の必要がないので現地入りは急がず、大会二日前にホテルにチェックインした。トーナメントが開幕する。怪我明けということもあり、リョーマはこの休養の一週間の反動かのように、その目はコートでギラギラと光っていた。ここでは四勝を重ね、納得のいく表情でリョーマは次の地へと向かった。次はマイアミオープンだ。
飛行機がマイアミに到着し、リョーマと共に席を立った。他の乗客の流れに紛れながら到着ロビーを目指した。
「フライトあっという間だったね。ここまで10時間超えばかりだったから、今回は楽に感じたな。」
隣を歩くリョーマに話しかける。リョーマもまたそれほど疲れがない表情でこちらを見た。
「5時間くらいなら余裕だよね。時差もほとんどないし国内の大会は助かるよ。」
「LAより3時間くらい進んでるのかな?それくらい無いのと同じだね。」
「名前も逞しくなったね。」
「そうかも。」
なごやかに会話を交わしながら荷物受け取りエリアに立つ。リョーマと私のスーツケースは早々にコンベアから流れてきたけれど、リョーマの大型のラケットバッグが中々出てこない。
「…」
リョーマは空港のカウンターをチラリと見た。嫌な予感がする。
「ロストバゲージかな。」
リョーマは呟いた。
ロストバゲージ?荷物の紛失、つまり、リョーマのラケットが何らかのトラブルでなくなってしまったのだ。
「え、大丈夫なの?」
「まあ、よくあること。ちょっと待ってて。」
リョーマは冷静にスマホを取り出した。
どこかに電話をかけて「同じモデル6本、すぐに用意して」と簡潔に伝えると、次にはカウンターのスタッフに話しかけて荷物の追跡を依頼した。リョーマの落ち着いた態度に、スタッフも丁寧に応じる。
「行こっか。」
そう私に言うとリョーマはあっさりとこの場を去ろうとした。私は慌てて追いかけた。大丈夫って、本当に大丈夫なのかな。
タクシーに乗り込むとリョーマは運転手に行き先を告げる。リョーマは全然慌てていなくて、窓の外をぼーっと眺めている。しかし私の様子に気付いたのか、安心させるように優しく笑顔を作ってくれた。
「こういうときのためにいつも何本かは機内持ち込みしてるし、だから大丈夫。残りもそのうち見つかるから。」
「うん…。本当にロストバゲージなんてあるんだね…びっくりしちゃった。」
「結構前にU17で一緒だった先輩がスーツケースやられてたよ。偶然便が一緒で、着替えがないから現地調達するって買い物付き合わされた。」
そうやって明るい話題にリョーマは変えてくれて私の心配を紛らわしてくれた。
タクシーは試合会場に到着し、降りるなりリョーマは真っ直ぐに会場の中へと入っていって、マネージャーさんと合流した。
「災難だったわね。」
「メーカーと連絡ついた?」
「すぐに持っていくって。…ああ、噂をすれば、来たわよ。」
男性が数名、荷物を抱えてやってきた。話を聞くにリョーマの使用するラケットメーカーの担当者らしい。先ほどリョーマが電話で依頼した通り、予備のラケットをすぐに届けてくれたのだ。
ラケットが入ったハードケースをベンチに広げ、スタッフ陣と共にリョーマはその中身を確認した。
「ストリングは?」
「指定のテンションに張り直し済みです。」
「サンキュ。助かるよ。」
「越前さんの活躍に弊社の社運をかけてますから。」
「そ。グリップ、巻き直しちゃっていいよね?」
「もちろんです。お好きなように使ってください。」
大人の人たちに混じって真剣に話をしている様子に、プロとして闘ってきた軌跡を感じる。こういったハプニングにも落ち着いて対応するリョーマがかっこよかった。
初戦の前夜、空港から連絡が来た。リョーマのラケットバッグがフロリダの倉庫で見つかったそうだ。電話を切ってリョーマは肩をすくめた。
「すぐにこっち送ってくれるって。」
「そう、よかった…!」
そんなトラブルを難なく乗り越えて、始まったマイアミオープン。リョーマはやはり得意なハードコートで生き生きと輝いた。インディアンウェルズに続き、四勝を勝ち取り、またリョーマはランキングを上げることとなった。
「インディアンウェルズに引き続き、準々決勝進出。素晴らしいハードシーズンでした。この結果はどう受け止めていますか?」
試合後のインタビューにて記者が問いかける。リョーマは冷静にマイクを取った。
「ハードは得意だしアメリカの大会は地元も近いからそれも有利だったかな。しっかり準備して挑めたよ。二月のブエノスアイレスではちょっとしたミスもあったけど、ここではリズムよく打てたと思う。」
「今季は特に、オフコートも含めですが、リラックスしてツアーに参加されているように見えます。去年までと変わったことは?」
「まあ、色々あるけど…しっかりしようって改めて思ったんだよね。自分のテニスをやる。ちゃんとね。それだけだよ。」
瞬く間に3月の春の祭典、インディアンウェルズとマイアミは幕を閉じた。終わる頃にはすっかり冬は過ぎ去り、温かな風が吹き始めていた。
マイアミオープンといえば、去年の今頃は卒業式で、リョーマが私にネックレスを届けてくれた。
あれから一年。長かったような短かったような、不思議な気分だ。当時はこんな生活をするなんて想像もしていなかった、ツアー同行が始まって三ヶ月。移動は大変だし時差がきついときもある。でもリョーマがいてくれるし、時々ロサンゼルスの家に帰ってお休みもできるので、私は想像するよりなんとかなっていた。覚悟していた超過酷、超過密、というほどの問題にはまだぶつかっていない。
こんな感じなら、4月からまた大学の課題が再開してもなんとかなるかも。
そう、このときの私は楽観的に捉えていた。
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