Chapter15 〜胎動〜

その頃ウルキオラは、断崖に入った織姫と対峙していた。
共にいた二人の護衛の身体半分を虚弾で損傷させた後、双転帰盾で回復させる織姫に、冷えた声で告げる。
「俺と来い、女」
息を呑む織姫に、視線で圧を掛ける。
「喋るな。言葉は”はい”だ。それ以外を喋れば殺す。お前をじゃない、お前の仲間をだ」
藍染が講じた”遊び”通りに、言葉を並べる。
あの女はこれを知っていた。
その上で止めなかったのならばこれもあの女の知るところなのだろう。
「何も問うな。何も喋るな。あらゆる権利はお前に無い。お前がその手に握るのは、仲間の首が据えられたギロチンの紐」
そんな言葉を並べつつも、ウルキオラには分かっている。
あの女がいる以上、此方が圧倒的に不利な事を。
「これは交渉じゃ無い。命令だ」
然し、この女は了承する。
優しすぎるが故に。
自身が力を持たぬが故に。
「藍染様はお前のその力をお望みだ。俺には、お前を無傷で連れ帰る使命がある」
本当は違う。
藍染の望みでは無い。
あの女の友を、傷付けるわけには行かないだけだ。
「もう一度言う。俺と来い、女」
ウルキオラの複雑に入り乱れる思考は、変わる事の無い表情の所為で、織姫に気づかれる事は無いかった。
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