Chapter15 〜胎動〜





ウルキオラが織姫に、特殊霊膜を張り、物質を透過するブレスレットを渡したのを感じ取って、玲は目を開いた。


「顕現なさい”月読”」


限定解除は間に合わない。

なら、破壊の力で塵に変える。


―へぇ、面白そうな相手じゃねぇか。


すっと現れた黒に赤の装飾が入った斬魄刀が、桁外れの霊圧を放つ。

その霊圧で、上の三つの闘いが止まった。


限定霊印など関係無い。

彼と私の魂は別物。

つまり、本体の力を抑えても、月読力に制限など掛からない。


「彼処の破面、全部消すよ」


―はっ!三匹だけか?


「そう。街は壊しちゃ駄目だからね」


そう告げて、地面を蹴る。

最初の標的は、10十刃。


「っ!なんだてめぇ!」


「さぁ、内緒」


くすと笑いつつ月読を振るう。

受け止めようとした刀ごと、斬り裂かれた破面は、絶叫を上げながら消滅した。


「っー!玲」


目を見開いたまま、固まっている冬獅郎を飛び越えて、所々氷に包まれている帰刀した破面に月読を振るう。


「な、何なんだよ君!普通じゃ…「無いよ」」


なんの抵抗も出来ずに斬り裂かれた破面が消失するのを見遣り、浦原と対峙していた破面に斬撃を飛ばす。

何もかも消滅させる、破壊閃を。


避けようとしたが間に合わず、足から消滅していく破面を一瞥して、目を閉じる。


破壊の刀とは言え月読も斬魄刀。

魂はちゃんと救われる筈だから。


「どういう事だ、玲!なんで…「時間切れ、だったから。彼等に情報を持って帰らせるわけには行かないの」


その言葉と同時に、街中に一本の反膜が差し込む。


「アレは良いのかよ」


「彼は、味方だから」


すっと目を閉じて、月読に戻れと念じると、漆黒の刀は粒子となって身体に戻る。


「…何を、知ってるんすか」


浦原の鋭い視線に小さく笑みを作って。


「全部だよ」


ごめんなさいと心で告げる。

たった一人にしか別れすら言わせて貰えない状況に立たされた織姫に。

直ぐに行くからと目を閉じた。


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