Chapter16 〜虚圏〜

その頃虚夜宮にて。
「戻った様だね」
王座から見下ろす藍染。
それを膝を着いて見上げるウルキオラとグリムジョー。
その後ろで織姫が不安げに周囲を見回している。
「…作戦は成功した様だが、ヤミーとルピ、ワンダーワイスはやられてしまったのか」
何処と無く不機嫌な藍染の霊圧を受けながら、ウルキオラは眉一つ動かさない。
「申し訳ありません、藍染様。ご命令通り、ゆっくり話をしていた為にこの様な事態に」
「そうか…仕方ないね。私の遊びが過ぎた様だ。然し、現世に居た異端分子は、矮小な時間操作と空間操作しか出来なかったはずだが…彼等を倒した死神に心当たりはあるかい?」
更に重くなった霊圧に、抑制率を上げたままのウルキオラに冷や汗が伝う。
後ろの織姫が、霊圧に耐え切れずにがくりと膝を着いて、震え始めた。
「おや、済まないね、井上織姫。怯えさせるつもりは無かったんだ」
霊圧を緩めた藍染に、ウルキオラが口を開く。
「現世に、隊長格の死神がいました。現場は見ていませんが、浦原喜助の霊圧の名残も、確認しています」
「…奴等が、此処二ヶ月で彼等を倒せるだけの力を付けたと…そういう事かい?」
「…恐らくは」
「そうかい。確かにグリムジョーも中々やられている様だね。井上織姫、グリムジョーの傷を、治してやってくれないかい」
「…っ…はい」
織姫がグリムジョーを治癒し、周囲の破面達が騒めきだす。
こんな女一人のために、破面が三体も消えたのだ。
皆言いたい事も有るだろう。
しかし、藍染の一瞥でそれも鎮まった。
「では、ウルキオラ。君に彼女を頼むよ」
「はい。藍染様」
すっと頭を下げて、王座の間を出るウルキオラとグリムジョー。
周りを確認して、慌ててその後を追い掛ける織姫。
その後ろ姿に、藍染は鋭い視線を送っていた。
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