銀灰の狂愛




「何でや、何で玲がこんなとこおるん?!何で自分で鬼道なんか…」


僕は血の気の失せた玲を見て、卯ノ花隊長に食って掛かった。

殺した無くて手放したのに。

なんで死にそうになってんのか分からんかった。


「瑞稀さんが此処に来たのは三日前です。彼女の精神は崩壊寸前で、今は生きる意味も見出せていません。
安定剤と鎮静剤を投与し続けなければ保たないほど、衰弱していましたから」


その言葉で、自分がどれだけ意味無いことしたかよう分かった。

玲は僕がおらんと生きる意味さえ見失う。

そんなん、殺した無い思て手放した僕が阿保みたいやんか。


なぁ、玲。

目ぇ覚ましや。

もう離さへんから。

頼むわ。



それから三日、生死の境を彷徨った玲が持ち直したって聞いて救護詰所に飛んで行った。

仕事なんかやってられへん。

なんも手に付かんねや。


病室を開けたら玲がぼんやり外見てて、まだ不安定なんか思て入るの躊躇った。

でも、玲がこっち見て笑ってくれて、そんな不安飛んで行った。


「ギン。また、来てくれた」


「当たり前やろ?何自分で死のうとしてんの?そんなんするぐらいやったら僕が殺したる」


心に秘めていた狂気を口にして、痩せた身体を抱き締めた。

普通やったらめっちゃ引くような僕の台詞に、玲はなんや嬉しそうに笑った。


「ギンに殺されるなら、本望だよ?」


「阿保か。僕がどんだけ悩んだ思てんの」


なんか馬鹿らしなって、溜息吐いたら、玲が寂しそうに俯いた。


「ギン、私鬱陶しかった?やっぱり、もう要らないの?」


「僕があんなん言うたんは玲を殺してまうかもしれんって不安になったからや。
放っとっても死にそうな奴手放しても意味無いやろ」


「…ごめん、なさい」


しゅんとして謝る玲が愛おしくて、額に口付ける。

この子が腕の中に居るだけで、こんな安心するもんなんか。


「なんで謝るん?玲が生きる意味見失ったんって、そんだけ僕の事好きやったからやろ?」


「うん」


「ほな、怒ったりせぇへんよ。そん代わり、また僕の側に居ってくれる?僕が玲殺そうとしても止めてくれる?」


「止めるの?」


「そや。僕ちょっと玲に会わんだけで死にそうになったもん」


困惑しながらもこくりと頷いた玲を、もう一度強く抱き締めた。

もう離さへんって誓うみたいに。

玲はちょっと苦しそうやったけど、でも嬉しそうに笑ってた。




ねぇどうか手離さないで。

例え貴方に殺されても、私は後悔なんてしないから。



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