聞カサレル者ノ思ヒ

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着信が鳴り、私はスマホを取り出した。横には、中也がおり本を読んでいた。あ、鳴野っちからだ。なんだろう、敦くんのかわいいショットかな!?だとしたらいいな!メールを開くとそこに書いていた内容に私は、スマホを取り落とした。床に落ちたスマホは、滑って向かい側のソファへとあたった。

「どうした?」

中也がその音に、顔を上げた。でも、私はそれどころではなかった。嘘だろ?あいつが、敵……!?あの時、離れ離れになってから…_。

「おい、楽!?」

中也が、私の肩を掴んで揺さぶった。私は、それで冷静さを取り戻した。中也の心配したような顔が見えた。私は、すまないと手をひらひらさせスマホを拾うと部屋を出た。嗚呼、こんなこともあるのか。私は、拳を握りしめた。

_『楽が、ずっといてくれたら良かったのに』

ああ、私も君がいてくれたよかったよ。そしたら、"彼女"にも会わせてあげたかったよ。

「…なんでもないよ、中也。大丈夫だ。」

彼女が思うところもあるのだろう。私は、それでも君の親友で、理解者だ。

「ならいいけどよ…」

心配そうな顔をしている中也を見て、私はいつものように笑った。
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