其之娘、マフィア也。
「…ここにいましたか、平井さん」
聞こえてきた声に、僅かに本を下げると視線をそちらへと向けた。私が今いるのは、部屋内にある木の形のオブジェだ。ちなみに、これを作ったのは梶井なので私の趣味ではない。
「今からなんだかわかっていますか」
じとっと見る芥川と樋口に私は微笑って肯定の意をさした。勿論、私は知っている。
「任務だろう?」
その言葉に、二人がキレた。私はおちょくりながら、羅生門を避けオブジェから降り廊下を走る。
「わかってるなら、さっさとしろー!!」
二人してそういうもんだから、なかいいなあと思うのである。やっぱ、芥樋いいわ。最高。
さて、二人を撒いた所だし任務に出るとしよう。どうせつまらない仕事だろうけどね。私は、肩をすくめるとビルを出る。スマホを取り出し、二人にメールを打つと仕舞いこんだ。元々、スマホはこの世界にはないはずだが、私達が介入してしまったことによりできてしまった異物だ。なんと厄介だ。まあ便利になったのでNo problem、問題無し。
今回の任務は、我々の荷物を横取りする奴らの始末。さぞ、勇敢な益荒男がくるこどだろうな?私は、口角を上げた。
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