『正義』と『悪』の狭間で
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  • 目次 ーMokujiー
  • 駆け込み乗船ご注意を!

    「ほら、行くぞ!ゾロ!」

    ある青年は云う。麦わら帽子を被ったタンクトップの元気いっぱいの男だ。

    「わーってるよ、ルフィ」

    先ほどの麦わら帽子の青年からゾロと呼ばれた青年。刀を持ち、緑色の髪の男。肉体質だが、細身である。

    海兵達が沢山いる中、敬礼されている彼らは決して『正義』を掲げる海軍や政府ではない。世の中からは、『悪』と謳われる海賊と名載る者達だ。だが、彼らはこの島を救った。

    救世主だが、海賊。『悪』なのだ。

    「…待って!そこのヘンテコ二人!!!」

    小さい小舟を漕ぎだそうかとした時、彼らを引き止めるものがいた。全員がそちらへと向いた。白い髪を後ろで結わえ、白いコートに黒いタンクトップ、黒の短パンにニーハイの彼らと変わらないくらいの女性だった。

    タンッ、と地面を蹴ると小舟へと乗り込んだ。

    「誰だおめえ」

    ゾロと呼ばれる青年がいう。すると、女性は笑ってこう云った。

    「私を目的地まで連れて行って。君達の行き道に必ずあるから」

    全員(二人を除く)が、絶叫の声を上げた。女性はニコニコと笑みを浮かべたままである。

    「うん、いいよ!」

    あっさりと承認したルフィと呼ばれた青年。そう、これが彼等と彼女の出会いなのだった。

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