ほしくず


はかりごと:一期前〜:マクギリス[20161119]

セックスする幼馴染で利害関係者。
それがサラとマクギリスの関係だ。

親しい友人、というほどお互いに心を許しているわけではなく、だけれど知り合いよりは深い関係。

清廉潔白な人間からすると爛れていると非難されそうだが、そこはそれ。お互い割り切った関係というやつだ。そもそも良い歳した大人である。

サラにとっては開発に煮詰まったときの気分転換の一つであるし、マクギリスにもきっといろいろあるのだろう。彼も男だ。至って健康的な。

「先にシャワーを済まさせてもらったよ」

キミが寝ていたからね、とはまるで他人事だ。
サラがベッドから起き上がることが面倒だと感じさせる原因を作ったのは彼だというのに。

基本的に研究施設から出ないサラと、任務で度々世界を回り、且つ訓練により鍛えられた肉体を持つマクギリスとでは根本的に体力が異なる。

もちろん研究畑の人間といえど最低限の訓練はあり、サラ自身、身体を動かすことは嫌いではない。適度な運動は脳を活性化させてくれるからだ。
しかしながら、そんな彼女とマクギリスを比較する意味はない。まず、基準が異なる。

ごろごろとベッドの上で子供のようにぐずっていると、身体に重みが加わった。

「……重い」
「すまない。わざとだ」
「やだ」

ぷうと頬を膨らませれば、指でつつかれぷすっと音がした。
どうやら今日は甘えたい気分のようだ。
もしくは自分に懐かない猫をかまう気分か。

先ほどよりも体重をかけられ、背中から抱きしめられるような形になる。もう一人の異性の幼馴染より肉厚な身体が今はうっとうしい。服を着ろ。(彼に熱を上げる淑女方の耳に入れば嫉妬と憎悪で呪い殺されそうだ)

心地よいテノールがサラの耳をくすぐる。
頬に流れた髪を一筋、耳へかけられた。

「サラ、以前キミに依頼していた件だが…」
「…ん、あれね。私はあまり現地に行けていないけど、順調に進んでいるわ」
「そうか。それを聞いて安心したよ」
「厄祭戦末期に製造されたフレームなんて、滅多にいじれるものじゃないしね。マクギリスがこの話を持ちかけてきてくれて私とっても幸せだわ!」

悔しいのはどっぷりあれの改修に携われないことだ。本業(統制局での開発業務。こちらもこちらで楽しい)もあるため、必然と使える時間は限られてくる。替わりに設計など、リモートでできることは全てやらせてもらっている。

MSのこととなると一段と感情が素直に出るサラを、マクギリスは微笑ましそうな眼差しで見た。

彼がどこからその機体を調達してきたのかは聞かないでおく。
サラは希少なMSを改修できる。それだけで十分だからだ。

いつかは自作のオリジナルフレームで、ヴァルキュリアブレードと同じ希少金属を採用したワンオフ機を作りたいものだ。
量産型には量産型の良さがあるが、技術の粋を集めた世界にたった一つの機体、という言葉は技術者にとって非常に魅力的なのだ。


戻る



MAIN

ALICE+