ほしくず


ポアロ:複数[20190117]

「ヴェルレインさんってお付き合いしている人いるんですか?」

いないわけがない、という気持ちを隠さずに、教えてくださいよ、と言う元気な園子の言葉に、もう園子ったら、という蘭の窘める声。僕も気になるなあ、私も気になります、と世良真純と榎本梓の声が重なる。
そんな、温かな午後のひととき。

紅茶で一口。舌を湿らせてから、ヴェルレインは答えた。

「付き合っている者はいないな」
「ええー!?そうなんですか??こんなに素敵なお姉様なのに!?」

絶対いると思っていた。でも、いないってことが少しだけ嬉しい。だってヴェルレインお姉様だから。
園子は荒ぶる気持ちのまま叫ぶ。顔も知らない彼氏にとられたくない気持ち。顔も知らないどころか、そもそもいないのであったが。

「ちなみに、どういう人が好みなんだい?」
「そうだな……、退屈しないやつがいい」
「一緒にいて楽しめる人ってことですか?話題が豊富だったり?」
「ユーモアがあったり、話上手な人とか?」
「気配りができるっていうのも大事じゃない?」

ヴェルレインの言葉に、四人はそれぞれの退屈しない人物像を上げる。
あ、とその子がポンと手を打つ。

「安室さんとかぴったりじゃない?」

カウンターの中で準備を進めていた安室は、聞こえてきた自分の名前に、賑やかなテーブル席に視線を向ける。
つと、琥珀色と青色の瞳が合う。

「どうだろうな」

細められた目と弧を描く唇に、安室は一瞬のまれた。どくどくとうるさい心臓。頬が熱を持つ。
どうして体が熱くなるんだ。悔しい。なぜ僕が動揺しなければならないんだ。
安室の複雑な葛藤など、恋バナでかしましい女性人には微塵も伝わるわけがなく。
店内は一層賑やかになった。


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