ねた

▼2016/09/04:ガチガチ束縛系英霊

子ギルSS

「━━いきなりボクの前から姿を消しちゃうんですもん。心配したんですよ」
高い火柱を立てながら轟々と燃える建物を背中に背負い込みながら少年は距離を詰める。
彼の真意を表すかのように真っ黒な煤混じりの煙を吸い込みながらわたしは思う。
「彼から逃げようなんて何て馬鹿な事を考えなければ、この場所が焼け野原になることも無かったのに」
頬を冷たい雫が伝い落ちていくのを感じた。歯はカチカチと音を鳴らし、立っている事すら困難な程に脚にも震えが走っている。

「つ か ま え た」
無機質な鎖の音が鼓膜に反響する。
それがわたしの四肢を拘束すると少年な目を細め至極嬉しそうに笑んだ。

「……もう遅いですし帰りましょうね。おねーさん」

Prev | Next

極夜