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誕生日プレゼントなにがいい？と聞いて「物はいらない。お前の誕生日まで呼び捨てにしろ。」という無茶振りを受けて半泣きの私を見て楽しそうにしているいじめっ子。

の、記念日。3年5ヶ月、1250日。驚くほどにあっという間。来月は3年半かぁと呟いたらその前に色々あるけどな、と続く。

燈矢くんの誕生日と、私の誕生日。今年はなにしようねと言えばキミは楽しそうに笑う。今月も沢山、好きだよと伝えたい。

あっという間の二年八ヶ月、975日。
昨日も今日も明日も、ずっと燈矢くんが好きだよ。

するどころか、まともに眠れない日々が続いて参っている今日この頃。促す為のものを飲んではいるものの、いまいち効果は現れず。最近の平均睡眠時間は四時間程度、燈矢くんにも心配をかけてしまって申し訳ないばかり。

抱き締めて背を叩いてもらっても、彼の心音を聞いていても眠れない。それがなんだか申し訳なくて泣きそうになってたらばぁか、と一言。時期的な問題だから焦るなよと続いた言葉のその後に、燈矢くんはまた抱き締めてくれた。だいすきだよ、それしか言えなくてごめんね。

燈矢くんと並んで眠るのが好き。優しく抱き締めて、でも一切逃す気のないホールドがだいすき。おかげで私は腰が痛いし、燈矢くんも腕が痺れているだろうに。
こうやって身を寄せ合って眠るのは幼き日を取り戻したいっていう気持ちと、燈矢くんの愛情表現だって知ってるよ。だから私は、眠る前のこの時間が大好きだ。

眠る間際、意識も曖昧であろう燈矢くんが私の腰を抱き寄せた。「一度しか言わねぇ。」その言葉に続いた、たった数文字。泣きそうなほど嬉しくて、思い切り抱き返せば私の髪に顔を埋めて、眠る燈矢くん。

「最近知ったんだけど【陶冶】って言葉があってね、"才能や性質をねって作り上げる"って意味なんだって。燈矢くんの名前の響きと一緒だから燈矢くんもいっぱい頑張ったのかなぁ。」
私が言ったのはそれだけ。少しは燈矢くんの気持ちを救えたのかな、なんて。こんなにも大きなお返しがあるのならもっと早くこの言葉を知れば良かった。

頭が痛い、と愚痴を零したら気分転換と連れ出してくれた。手を繋いでふらりと出歩いて、見上げた空は星がキラキラ輝いて綺麗。

綺麗だね、と言ったけど燈矢くんは何も言わなかった。それでも繋いだ手は確かに握り返されて、素直じゃないなぁって笑う。幸福な日々。

付き合って800日、2年2ヶ月7日。
時の流れってあっという間だね、と話をして。いつもより少しだけ、特別に感じたキス。私だけじゃありませんように。

いつもより、優しかった、気がする。キスマーク付けてくれて嬉しかった。

寒い、寒いと騒ぐ私に着ていたパーカーを貸してくれた。寒くないの？と聞いたら、丁度良くなるとだけ。腕の中にすっぽり収まって、幸せを噛み締める。

燈矢くんは格好良いから他の人に取られちゃうね、と言ったら、傷モノだぞと返された。その火傷痕すら愛しいのだと、そう言ったら彼は笑うだろうか。それとも呆れるだろうか。

全部含めてキミだよと、それだけ伝えた。触れる手はいつもより少しだけ熱かった。