実写ミラージュ
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私はいま車に泥棒されてる
え?車を泥棒してるんじゃあないのかって?そこまでの悪事を働くほど困った生活は送ってないので安心して欲しい
車はそのままロボットに変形してその綺麗な機械的な目をキラキラさせて私を見つめた、口元が猫のようにちょっと跳ね上がっててかわいい
「俺とデートしてください」
「ごめんなさい?」
「なんで」
すごく驚いた顔をしているけれど私のほうが驚いているとはいえなかった、約数分前私の目の前には綺麗な新車みたいなポルシェが走っていってかっこいいーっと思ってたら丁度信号待ちをした、そのポルシェはライトをチカチカさせるから見すぎたかなと思ってちょっと気恥ずかしくて笑った、そしてポルシェは走り去ったと思ったら直ぐに戻ってきて突然私はポルシェの中に乗せられて人間泥棒、所謂拉致ってやつをされたわけだ
そして人気のない工場に来たと思えば彼?は私の前で今の姿になってデートを誘ってきた
「どうしてか理由聞いても?」
「知らない人にはついて行くなって教えられたから」
「なるほど賢い教育だ、じゃあ俺はサイバートロン星から来たオートボットのミラージュ、君は?」
「アイリス」
「OK、アイリスこれで俺たち知り合いだな」
人間より口達者だと感心していたら改めて彼は私にデートは?と聞かれたから当然断った、彼はなんで!と大声を出したけどこれでデートを誘えると思ったのだろうか?いや人間とロボットは違うかもしれない
そういえばなんでデートなんてしたいんだろうか人間なんて沢山いるよ?と聞いてみた
「好みだったし、俺に返事してくれた」
「ごめん記憶にないかも」
「嘘だろ?ウインクしたときだよ」
ほらこんな感じ。って星でも飛ばしそうなアイドル顔負けの綺麗なウインク、わぁお素敵だね。と冷めた瞳でみつめていたらミラージュは分からないかなぁ?って顔をしたあとすぐに思い出したように肩のライトをチカチカと小さく光らせた
なるほど車の時のウインクってそういう感じなのね。と理解したけどやっぱりダメですと断ったらまるで駄々をこねる子供みたいな反応を始める
「俺の心を弄んだ!」
「弄んでない」
「ノアにいいつけてやる」
「逆に言ってほしいよ」
ノアって誰だよと思いつつぴーぴー泣きわめく彼に対応したら、彼は腕の通信機をピッと音を立てて付けた男性の声が聞こえたどうやら知り合いらしい彼にミラージュはいう
「もしもしノア?ナンパ失敗したわ」
なんだその軽いノリいや軽いノリだからナンパできるのかと感動さえ覚えていたら通信相手はすごい怒鳴り声をあげた、聞いた感じだと"そのせいで俺は降ろされたってのかよ!"といっていたのでまさか搭乗者をナンパのために起き去ったのかと知って思わず笑ってしまう
「え、なに?そんな面白かった?凄いかわいい笑顔」
「ハハッ嘘でしょ?ナンパのために友達置き去りにするって」
なんだかツボに入った私にミラージュは楽しそうに顔を見つめてくるけれど笑いすぎて涙がこぼれた、騒がしい通信機を切ってミラージュは俺の親友面白いやつなんだと自信満々に話し始めるからなんだかこの人悪い人じゃなさそうだなと思ってきた、というか精神年齢的にも若そうだ
「面白いのは貴方ね、あぁもう笑った・・・デートはこのあとバイトあるからダメだけど、送っては欲しいかも」
「バイト・・・あぁ仕事か、わかった送るよその代わり次の休みデートして欲しいんだけど」
まだ諦めないのかと思いながらポルシェに変形した彼の中に乗り込む、どうせここで送って貰えなかったら街まで数十キロあるから大変だ
彼の言葉にうーんと考えた振りをして「安全運転でバイト先まで送ってくれたら考えてあげるね」といえば彼はここに来る時よりも随分と丁寧に法定速度まで守って走り出した、私と彼が付き合うまであと何日でしょうか?
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