ネオンライトとミラーボール、普段見るものとは違う安全なスモークに人々の喧騒、ホランギはその日三軒目の店でウォッカのグラスを手にして両隣や向かいに立っている仲間たちと共に笑顔を浮かべてグラスをぶつけた、夜はまだこれからだというように。

時刻は日付を回る少し前、数ヶ月の任務を終えた彼らは独身で恋人とも予定が合わずに暇を持て余しては飲みに行こうと言った、元より仲間として命を預けてきた男たちは特別話が盛り上がり一軒二軒と店をハシゴする度に楽しみが溢れて行っていた。
二件目を終えたころ、彼らはちょうど酒が回っていい気分で次は何処に行くかという頃、一人がこの近くに少し高めのクラブがあるから遊びに行こうといった、そんなにもう若くもないだろうにと思いつつも悪くはないかと彼らは揃って怖い入口のガタイのいいスタッフに身分証明書を見せてボディチェックを受けて入店した、もっと若い二十代前半にいってたような安いクラブとは違うそこは店内もとても華やかであり、それなりに身なりのいい女も多かった。

有名人やモデルなども来ているのだという説明に詳しいじゃないかと彼が聞けば以前から来たかったが行く相手もいなければ行く気分になることもなかったのだと言う彼は酒が回ってこっそりと彼らに打ち明けた。
この店の奥のVIPルームは気に入った店の女を連れ込めるのだという、まさに男の夢を叶える店でもあり、辺りで給仕しているウェイトレスの女達はまるでモデルのように美しくセクシーで今にも脱がせろと言わんばかりのドレスを身にまとっていたのだった。

「お前まで行くのかよ!」
「お前もそろそろ引っ掛けろよ」

5人で来たハズが気付けば一人、他の四人はいつの間にか女を引っかけたりチップを持たせたりして次々とVIPルームに消えていく、全くと酔いが醒めそうになるホランギは暗い店内でもサングラスを外せずに過ごしては空になったグラスに近くのウェイトレスが来るものの彼女は彼を見るなり準備万端だと言わんばかりに胸元を見せたことに苦笑いをして両手をあげてその場を離れた。

「(来るんじゃなかったなこんなところ、もう一杯飲んだら帰るか)」

気分が良かったが男同士で飲みたかった、しかし任務という名の禁欲生活じみたことを行っていた者たちにそれは出来ないことだと彼も納得はした。
そのため着いてきたがやはりホランギにはその気が起きなかった、当然だろう彼には恋人がいる、同じコルタックの傭兵をしているアジア人の恋人、自分を好いてくれるいつも笑顔のかわいい女だった。
次の任務が終われば帰るから過ごそうと連絡をしたが彼女は仕事があるからダメだといわれてしまい、彼女の多忙を知っていたホランギは納得するしか無かったのだ。

「ビール一本⋯」
「はい、ビール⋯ホランギ?」
「ナマエ、お前何してるんだよこんな店で」
「バイトだよ、仕事って連絡したでしょ?」
「知ってるけどてっきり任務かと」
「ごめん、任務は予定より早めに終わったから」

あぁそうか。と短く返事をしてカウンターから出されたビールを受け取ったホランギはまさか恋人が店で働いているとは思わずに驚きつつも彼女が実家に仕送りをする為に傭兵をしつつ更には掛け持ちで様々なバイトをしていることを知っていた為多少の驚きはあれどそれ以上はなかった。
騒がしい音に声を掻き消されそうにりながらも声を張り上げることには慣れている二人はその騒がしさの中でもいつも通りに会話をした、友人と来ていたがみんな何処かにいってしまったこと、この店が質のいい大人向けのクラブであること、酒を作るのは相変わらず上手いことなど久方振りの会話であるが顔を見ることなく二人は話をした。

顔を見ることは無いというよりも彼女の方が忙しくホランギを見る暇がないのだ、まるでパチンコの換金所のように早く正確に出されたドリンクチケットを貰ってはすぐにドリンクを提供する、時折客に話しかけられれば軽い会話をして気分良く流してやる、他のスタッフのヘルプやら頼みを聞いては即座に対応する彼女のその手馴れ具合には脱帽でビールを飲んだらもう帰るかと思うホランギの前にドリンクが出された。

「サービスだから」
「俺がこういうの飲むって?」
「作ったけど頼んだ人が居なくなってたから、捨てるの勿体なくて」
「ナマエが飲んだらいいだろ」
「私がお酒弱いの知ってるじゃん」
「⋯わかったよ、それとボタン開けすぎじゃないのか?」

下着が見えてるぞと指摘すれば彼女はふと自分の胸元に目をやって慌ててシャツを手繰り寄せたがボタンを戻すことは無いためどうやら店の着こなしなのだと理解するホランギは出されたカンパリオレンジをみては甘めの柑橘系も悪くはないかと口にしている頃、一度気になった彼女の制服姿を見つめてしまう。
横長の広いカウンター内でスタッフが慌ただしくドリンクを作っている、足元の冷蔵庫を開けたり閉めたりとする度に制服のタイトスカート越しの彼女のキュートなヒップに目を奪われていたがからかう様なアピールの口笛に視線をやれば角にいた男たちがナマエに向かってそれをしていることには苛立ちを感じた。

「(っていうかアイツ赤っぽいブラジャーだったよな、何であんなもん)」

彼女の好みでもなければ趣味でもないし恋人の彼が見た事のない下着だったと先程シャツの隙間から覗き見えた彼女の下着に考えてしまう。
シンプルな白いシャツと胸元の大きく開いた黒いベストにタイトなスカート、薄い透けた肌の見えるデニールの黒いストッキングと歩きやすそうな低いパンプス、バーテンダーの中では一人だけアジア人だからなのか彼女はほかのメンバーよりも頭一つ分少ない上に客に絡まれやすかった。

「(ナマエのやつにだんだんムカついてきたな)」

仕事をしているとはいえ自分に向けない笑顔や忙しくても相手をしてくれないことも相まったホランギはタバコに火をつけて甘ったるカンパリオレンジをイヤイヤと飲んでいたが彼女が銀色の配膳トレーにドリンクを片手に出てきては頼まれたらしい場所まで届けに行こうとする。

「ウェイトレスにやらせろよ」
「今みんな手一杯なんだよ」
「お前だけ忙しそうだな」
「その分稼げてる」

ニヤッと笑う彼女はポケットに溜まったチップを見せて笑うものだから人の生活に文句は言えないとホランギは口を尖らせつつ自分に言い聞かせて人混みに進む彼女を眺めた。

もう帰ればいいのに久し振りに会えた彼女をまだ見ていたいという気持ちが残るホランギは友人たちが彼に渡したドリンクチケットを使ってビールを頼み空になった小さなカクテルグラスを引かせた。
小さなあの身体が人混みに揉まれてようやく戻ってこようとした時、腕を掴まれて相手に何かを言われているが慣れたようにやんわりと断っていた、しかしながら短い道中でもホランギの戦場で鍛えられた鋭い観察眼はその人ごみの中で彼女の身体に故意に触れる悪い手を眺めては今スグに声を掛けたかったが彼女は気付いていても知らぬフリをして進む。

ようやく戻るのかと思った矢先腕を掴まれたナマエをえらくご熱心に口説こうとする相手に断りを入れるが相手は財布を広げて彼女に無理矢理にチップを握らせて連れていこうとするのはクラブの奥のVIPルームだった。
それをみたホランギはいよいよ苛立ちを最高潮にさせて人ごみを掻き分けて近付いて男の腕を無理やり引き剥がしては殺意をむき出しに失せろと叫んだ、シンプルな服装も相まって彼もスタッフの一人なのかと勘違いした男は早急に退散したが腕を掴んでいた彼女は呆れたように笑った。

「あんなの平気なのに」
「平気?あいつはお前のこと無理やり連れ込もうとしただろ」
「バーテンダーだし、いざとなれば警備も呼べるし、それに私弱くないよ」

一応傭兵してるし。と笑う彼女に対してホランギは今日何本酒を飲んだのだろうか、両手では足りなくなっていただろうに、そんなことも知らない彼女がヘラヘラと笑う態度には苛立ちが募り何も返事をしないホランギは彼女の腕を無理やり掴んで歩き出し。
クラブの最奥にあるVIPルームに向かってだった、警備の男はホランギが手渡した入場料という名のチップを受け取れば簡単に通した為、彼女はバーテンダーなのに!?と驚くが誰も気にしなかった、小さなライトがドアの上にはついており凡そ中に人がいるかどうかということだろう、ホランギは点灯していない部屋に入ってはヒュウッと口笛を鳴らした。

「流石だな、いい部屋だ」
「こんな部屋来なくても話くらいなら外でも出来たのに」
「話だけで済むと思ってるのか?こんな格好して」

ホランギは鏡張りに広い円形のソファとグラスやウイスキーのボトルが置かれた正方形で大理石のテーブルと壁掛けのテレビが備えつけられ豪華なシャンデリアのあるシンプルな部屋に感心しつつソファに彼女を投げ付けるように腕を引っ張り、そのままソファに座る彼女の言葉を聞いては開いたシャツに指を掛けて下に引っ張ればやはり赤地に黒のレースが着いたゴージャスな下着がみえてしまいホランギはますます苛立った。

「バーテンダーだ?この店は女ってなればこの部屋に連れ込めるんだろ?」
「そんなことは⋯」
「ないって言い切れるのか?現にお前はこの部屋に来てる」
「私はお酒運ぶくらいしかした事ないよ」
「そいつらシてたんだろ?」

そういえば彼女は黙り込んで俯いてしまう、ほれみたことかとホランギは呆れた、ナマエはいつもそうだ、そうしたことが得意ではないのに金を理由に危険性のある仕事ばかりを選ぼうとする、もちろんこの仕事も直接客に求められたら断るのだろうが間接的には触れることになる。
シャツのボタンを外して大袈裟に開いて現れた下着の縁をなぞるホランギはサングラスの下の目を鋭くさせて問いかける。

「この下着も制服か?」
「うん、セクシーなのにしろって言われて貰った」
「下もか?」
「セットのだから」
「みせろよ」
「⋯それは、ちょっと」

いいからみせろ。と強く言われたナマエは元よりそうして強く言われてしまうと言い返せず顔を俯かせてはタイトスカートの裾を自分で捲って彼に見せつけた、外の騒がしい音楽と喧騒が聞こえる中打って変わって部屋の中は静かでありシャンデリアの光は明るく鏡張りの部屋に反射した光はさらに眩く感じられる。
そんな部屋の中で薄い黒のタイツ越しに現れた下着はやはり上下セットだったらしく同じような赤と黒のレースの大人びたデザインだった。

「後ろは」
「それは⋯」
「今更だろ」

他人に胸元さらけ出してる奴がとトゲついた言葉でいえば見るからに落ち込む姿にホランギはそれでも苛立ちを隠さなかった、しかしながら苛立ちと反対に興奮と期待をしていた。

――予想通りなら
――彼女は
――彼が見た事のない姿のはずだからだ

諦めてもういいと後ろを向いた彼女にホランギは思わず片側の口角が上がった、彼の予想通りその下着は紐ひとつで彼女の形のいい割れ目にしっかりと食い飲んでおり、所謂Tバックだったからだ。
彼がそれに気付いていたのは彼女がカウンターにいた頃からで、足元の冷蔵庫を漁る度に突き出された彼女の臀部は丸く普段よりもずっと柔らかそうで、そしてあれだけピッタリもしたスカートだというのに下着の形が浮いていなかったからである。
この店のもうひとつのコンセプトは女性を売りにしているのだから当然バーテンダーだが女として仕事をしている彼女もそれ相応の着こなしを求められるのだろう。
ジッと背中を向ける彼女を無視してホランギはタイツ越しのその柔らかい尻を撫でた、ベッドで幾度も触れてきた時とは違う薄い生地越しのその感触はまさに心地よいものであった。

「ここのオーナーのセンスは良さそうだな」
「もういい?」
「ストッキング破いていいか?」
「ダメだよ!支給品だし」

本当は履く時に足の親指の爪で破れているがそこはご愛嬌としても破けやすくて薄いストッキングは案外高いのだ。
貧乏性のナマエからして素足でいいといったが当然許される訳もなく支給されたわけだがそれを破くなど有り得ないと慌てればホランギはポケットから財布を取りだした。

「一応いまナマエは勤務中だ、だからちゃんと仕事として扱う、いいな?」
「いいな⋯って」
「ここに挟んでやるよ」

そういってホランギは彼女のスカートのウエスト部分に挟んでやれば彼女は気難しい顔をした、ホランギも辞める気がないのはその態度でわかっていた彼女は入口でみたVIPルーム用のボディーガードが密かにしたガッツポーズに完全にソッチのスタッフ扱いされていることはわかっていた。

「わかったよ⋯でも本当に嫌だったときはいうからね」
「当たり前だ、こう見えて紳士だぞ」

よくいうもんだと思いつつも100%の否定はできないと呆れる間にホランギの手がストッキング越しに彼女の肉付きのいい尻を撫でた、こうした店で働くには筋肉質な彼女の足を上から下まで眺めては満足気で素肌を撫でるのとは違うその感触に夢中になるがそんな彼に対してストッキングを破くだけだというのにいつまでかかるんだかと前を見つめる彼女は鏡張りの部屋であるが故に自分の顔を見なければならないことに嫌気がさす。

身体を売る仕事をしているのならば相手を満足させてすぐに終わらせられるがそうした仕事でもなければ相手が相手だ、先程まで機嫌悪そうだったホランギも少しだけ治まった様子でありこれ以上の刺激はしたくないと思う頃ナマエは声にならない小さな悲鳴が漏れて痛みを受けた。

パンッという音と共に感じた痛みに何事かと思った彼女が振り返ればホランギはサングラスから薄く覗いた瞳を鋭くさせて低い声を出した。

「別に怒ってないわけじゃねぇぞ」
「怒られる理由もないと思うけど」
「俺(恋人)に黙ってこんなトコで働いてたんだ怒るだろ」
「別にバーテンダーとし、っって!」
「言い訳だ、俺が怒ってるっていってるんだから分かれよ」

彼女の尻を手のひらで叩いてやれば容赦の無い痛みが遅い彼女も痛みに顔を顰めた、四、五発打たれた彼女は痛みと羞恥で泣いてしまいたかった、何故彼に自ら尻を差し出して子供のように叱られなければならないのかと感じてはギュッと目を瞑った。

「ごめ⋯なさい」

それでも彼女も自分に非がないわけでもないことは理解している、この店がバーテンダーとして働く中でほかの店よりも随分と高い理由はこの部屋があるからでバーテンダーでも関係ないことは知っていた、もちろん誘いを受けることはあったが応じることがなかっただけで手っ取り早く稼ぎたければできないことは無い。
そんな状況をホランギに説明できるわけがなかったからと普通のバーテンダーとして働いていると言っていたことは半分の嘘が混じっているのだ。
ナマエは素直な人間であることを知っていたホランギは彼女が決してそうしたことをしていない事は知っていたが嫉妬と独占欲が溢れるのは仕方ないことだ向かいの鏡に反射した彼女の表情を見たホランギは彼女の手を取って向かい合わせては自分の膝に乗せては唇を重ねた。

「んっ⋯ぁ」

気の抜けたような甘い声に彼は酷く興奮した、久方ぶりの彼女の口の中は酒の味が混ざり合い味見していたが故のほんのりとしたその味夢中になって舌を絡ませてもっとと非喫煙者である彼女の口腔内を荒らしてやった。
ホランギの胸元に手を添えた彼女を抱き寄せて腰に回した手をゆっくりと下ろしてスカートの下に手を入れて彼は先程痛めつけた尻を撫でればビクリと彼女が覚えるが目を開いたホランギはもういじめないと薄く目を開けた彼女にウインクをしては薄いタイツを握り力を入れた。

ビリリッ⋯と簡単に裂ける感覚に心地良さを感じつつ最後に濡れた唇を舌先でなぞれば深呼吸するナマエがいたが彼は愉しそうに笑って折角ならこの店のルール通りに楽しんでやろうと決めたのだった

「ほら仕事の時間だ」

◇◆◇

「ッ⋯ぅ、ん」

くぐもった彼女の声は意識しなければ外の音に簡単にかき消されてしまいそうだった、ホランギは牛皮の高いソファの上にゆったりと座ってはロックグラスに注がれた琥珀色の液体と氷を右手で揺らしつつ視線を下ろした。
ソファの上に横になるように伏せたナマエはホランギのズボンを外して下着の中のものを取りだしては懸命に奉仕していた、そんな様子を眺めつつも彼の空いた左手はピッタリと張り付いたタイトスカート越しの尻を撫でており、そのタイトスカートから覗く太ももへのタイツは破れた痕跡が見えており、まるでこれは一種の道楽のようだった。

「そうだ、上手くやれば弾んでやる」

そう言って彼は奉仕する彼女の頭を撫でてはそっとチップをスカートのポケット中に入れてやった、彼もそれなりに遊び慣れており、そうした女相手にどれくらいやどの頻度でチップを渡せばいいのかわかっていた。
生憎と今晩の彼はどれだけ酒を飲んでも酔い切れず、けれども楽しみを感じることは一流だっただろう。
目を閉じて必死に頭を上下にする彼女をベッドで見たのは多くは無い、元よりホランギは行為においては尽くしたがりな部分があり、反対に彼女は受け身がちだ、だが今晩はあくまでも仕事をする彼女にそんなことは許されない。

結局彼の言葉に流されるがまま始まった行為に対して彼女もイヤイヤと言いながらも興奮していたのは事実ではあった、ホランギの熱くなったモノを口の中で苦しそうに受け止めながらも懸命に奉仕した。
酒とタバコと汗の匂いなどが混じった彼の香りに次第に身体が熱を受けては不器用にも懸命に彼に尽くす、自身を撫でる手の心地良さに目を細めてもっとされたいと褒められることを喜ぶ犬のように尻尾を振っていたが思わず彼女はホランギに視線を向けてしまう。

「なんだ?ちゃんとしろよ」

仕事だろ?といわれれば彼女は恋人とはいえこの場所でチップを渡されている以上娼婦のように尽くされねばならない、例えばどんなことをされねいたとしてもここはお客様ノータッチの店ではないのだから。

そうだとホランギは自分の足の間で懸命に仕事をする彼女をみてその真面目な面を評価した、どんなことでも仕事といわれればそれに逆らうことは無い従順な犬である彼女にちょっかいをかけるように彼は彼女を撫でる左手を伸ばしてはスカートの下に潜んだ。

「興奮したか?」

確認するように撫でた場所はホランギの指を簡単に汚した。
普段とは違う布面積の小さな下着は簡単に彼女の素顔を晒すように彼に伝えてしまいナマエは顔に火がついたように熱くなる。
彼に叱られ、こんな下世話な場所で下世話な行為に勤しんでいる、それでも身体は素直にホランギに触れられるのことを喜んでいることが仕方がないとはいえ恥ずかしさを感じて知らぬフリをして一度咥えたモノを離して唾液でドロドロになったソレを手で慰める。

「ッ·····図星だろ」
「さぁ?」

それでも知らないふりを押し通したいのは当然のことで、まだ彼女には薄い理性の一枚皮が残っているのである。
だからこそホランギは楽しそうにスカートの下に潜ませた手で破いたストッキングの感触を楽しんだ後に素肌を撫でて熱を帯びたその場所を指先で撫でた、まるで彼を望むような湿った場所が彼の指を汚して、蜜を付着させれば彼の中指が伸びて彼女のナカに沈む、とても浅く弄ぶような態度の指先にナマエは腰が自然と揺れた。
目の前にある彼のモノを支柱にするように必死に優しい手で掴んでは物足りなそうな視線を向けたがホランギはただこの部屋の眩いシャンデリアの光をそのサングラスに反射させる。

「ン?」

足りない。
そう訴える彼女の視線に態とらしく見つめ返す、何をしたらいいのかなど分かっていたはずだ、彼女は作業員でホランギは客、それは今いる場所と互いの服装、そして彼女の腰に挟まれたチップでわかる。
バーテンダーだといって酒を作る彼女はカウンターを出た時点でもういない、この店ではフロアに出たら女は商品だ。
ナマエはホランギのペニスに甘い唇を寄せてキスをしては彼のサングラスの下の目を見つめる、ホランギ⋯と外の音に消えそうな声でつぶやく彼女の腰が揺れるのを感じては彼は顎をしゃくってテーブルを指した、何をするべきか分かっているのだから口にすることは無い。

「ッあ♡、あ♡ゃ、あ♡すきっ♡きもち、ぃ♡」

呆れてしまうほど笑えてしまうとホランギは興奮しながら考えた、テーブルの上に手をついてシャツのボタンを外して下着もそのままに乳房を晒し、客-彼-に向けて尻を晒す彼女が娼婦だとしたらこんなにもサービス精神の旺盛な子は滅多に居ないと思えたからだ。

「ホランギッィ♡そ、っア♡だめっ、ソコッッ♡きもちッぃい♡」

黒い大理石の冷たいテーブルの上に崩れ落ちる彼女のその姿は乱されたタイトスカートと薄いストッキングから晒された肌に突き出された尻、こんな行為のためといわんばかりの守りの少ない下着だった。

「後ろからだからいつもと違う場所に指が当たっていいだろ」
「ダメッ⋯♡きも、ちいぃの♡⋯クルッ♡」

指で彼女のナカを責め立てながらホランギの視線は自分たちの向かいの壁だった、正確には鏡張りのその壁に映った彼女の顔だった、彼の手のひらまで汚している彼女の表情は"店"の人間ではなくホランギの唯一の"雌"だ。
片手で遊んでやりながら酒を飲んでは彼の気分を更にヨクさせる。ここにヤクでもあれば完璧だったかもしれないが残念ながら彼の恋人はそれをあまり好まなかった。

「濡らしまくって、俺の手のひらもお前のケツもベタベタだな、流してやるよ」
「な、に?⋯ヒャッ!なっ、なにして?ッあ♡」
「キレイにしてやらなきゃだろ?」

そういったホランギはテーブルの上のウィスキーのボトルを片手で開けては彼女のストッキングの上からまるでアイスクリームの上にかけるように垂らした。
琥珀色の液体がキラキラと光に反射して輝いてトッピングされると同時に彼はその場所に顔を埋めればメスの香りと芳醇なアルコールの香りが混じり合い、まるでそれは男の欲求全てを満たすような品に変化する。

「あ"ッ♡あっ♡だめっ、きもちいぃの、好き♡」

蜜の溢れるその場所を舌で愛撫して濡れた指で勃起した小さな芽を撫でてやると彼女はさらに声を上げて鳴いた。
膝が何度も揺れてしまう彼女の足が動く度にその健康的なふくらはぎの動きを感じてホランギは自分のモノがますます彼女を求めているのを感じつつ、まだだと舌を差し込んで指の腹で往復して撫でてやる。

「はァッ♡っク♡ホンジンっ、イキそ、ぅ♡だめっ、だめなの♡あ♡あっ♡イクッ♡♡」

ホンジンと呼んだナマエの声を聞いてホランギはますます彼女を強く責めたててはそれはスイッチのように簡単に彼女を頂点に導いた、最奥からどろりと溢れた分泌液を舐めとったホランギは身体を振るえさせてテーブルの上にぐったりと横たわる彼女にもういいと勃ち上がったソレに財布から取りだして隠し持っていた避妊具を装着して、今から挿入れると警告するように下着をずらしたその場所にペニスを押し付ければ彼女の身体は強ばるがホランギは腰を抱いて自分の腰を引き寄せた。

「ま、って♡まだっ、ぁあ"ッッ!!♡♡♡」
「あぁ"ックソっ⋯はぁ」

普段よりもずっと簡単に侵入してしまえるその場所は熱くまるで風邪でも引いて熱が出ているのかと感じるほどで、しかしなれどホランギを望むように絡みついては離さぬように締め付けていた。

「ナマエ、ちゃんと手をつけ」
「ン⋯こ、うッッ⋯?!♡」
「そうだ伏せるなよ」

しっかりと肘を伸ばして立つ彼女にまるで抉るような叩き付けるような形で腰を打ち付けてやれば強い衝撃が身体の芯を刺激した。
必死に彼の指示を聞きながらも抗えぬ快楽に表情を変える姿を鏡に越しにみるホランギもナマエも酷く興奮していた、鏡というのは簡単な興奮材料で普段みられない自分の本当の姿が見られる、けれどもナマエは見ていられずに顔を俯かせてしまいホランギはそれを許さないように何度も腰を叩きつけながら彼女の顎を掴み前を向かせた。

「ちゃんと自分の姿を見ろよ、娼婦みたいな格好でセックスしてる姿だろ」
「やっ♡あっ、ちがっ♡やだっ♡みた、くない♡」
「こういう仕事はしてこなかったか?なんでもスルんだろ?」
「シなっ、ァ♡アッ♡お"ッダメッ♡ダメそれッッア♡♡」

同じ民間軍事会社に所属する彼女が単独任務を受ける時があることを知るホランギはその詮索はしてこなかった、だが誰だって言われなくても彼女がその単独任務に特別手当を受けて請け負っていることは理解していた。
生活の為ならなんだってしなきゃならない。と口癖のようにいう彼女にいえば振り向いた彼女はホランギに手を伸ばして彼のシャツの襟元を掴んでは手繰り寄せては短いキスを送った。

「ホンジンだけ⋯だよ」

思わず部屋の中は鎮まり帰った、外の騒がしいほどのEDMが薄く部屋の中に聞こえるが二人の間は静かだった、本名で呼ばれることもそうして真っ直ぐと自分だけだといわれることもホランギからしてみれば全て気外しさとこそばゆさを感じた、仕方ないのだいい歳をして真っ直ぐと自分の想いを素直に伝えられるこの女を信頼していないわけがないが今の行動は彼の小さな嫉妬から来る言動であるのだから、適わなかった。

優しくもう一度キスをされてホランギに「ちょっとそっち向きたい」といった彼女にいわれるがまま繋がり合うことをやめると向き直った彼女がホランギの唇を深く奪った、優しく両頬を包み込まれて舌を絡められ、次第にゆっくりとソファに座らされたホランギは彼女をみつめると彼女は笑った。

「いいよ、ホンジンなら私の事買ったって」
「買うって⋯お前な」
「他の人じゃ絶対出来ないよ、ホンジンにだけさせてあげる」

どんなことも⋯という彼女は彼の膝の上に跨ってそれはまるで娼婦の女の如く妖艶な姿でゆっくりと腰を沈めていく。

「ッ⋯まじ、かよ」

積極的な彼女が自らホランギを飲み込んでいく、少し乱れたスカートのせいで二人の繋がり合う部分は見えずともその熱だけはしっかりと感じられた。
ホランギの肩に手を置いて最奥まで飲み込んだ彼女を見つめては楽しそうに笑われてしまい彼は参ったと両手をあげて降参しては財布を取りだしてチップを眼前にあるブラジャーの肩紐に引っ掛けては挑発的にみつめた。

「そこまでいうなら、楽しませろよ」
「っ、それは⋯どう、かな」

頑張りますと笑ってソファの縁に手を置いて膝立ちした彼女が腰を揺らす、まるでダンサーのように揺れて踊るように男-自分-の上にいるチップを挟んだ恋人にホランギは酔っていた、快楽と愛と周りへの嫉妬に渦巻いた彼は腰に手を回して彼女の胸に顔を埋めるとその心臓の音は破裂しそうな程に騒がしくホランギはそれに呼応するように興奮してしまう。

「まっ⋯ぁ♡ちょ、っと♡わた、しが⋯あっ♡アッ♡」
「それは今度なっ、ベッドシテくれ」
「や"ッ♡♡んあっ⋯ぁっ♡あっ♡はぁっ、あ♡そこ"ッ、ダメっ♡だめっ、すきっ♡」
「俺もだよ」

任務期間中はいつも寂しくて堪らなかったと胸の内でいいながらも口に出せないホランギは彼女を強く抱き締めては下から叩きつけた。
興奮した彼女のその場所が強く締め付けて最奥を簡単に叩くことが出来てしまいホランギは啼くことしか出来ない彼女を掴んでは自分の欲望を教えるように音を奏でさせた。
重たいソファは二人の激しい動きを受けても動くことはなく、その代わりに柔らかいためか沈んでは浮かんでと繰り返す。
ホランギは次第に彼女のシャツやベストをズラして下ろしては下着姿の彼女の胸元に顔を寄せて吸い付いてはまるでティーンのガキのような真似だと分かっていながらも所有欲の表れを残す。

「はぁ⋯♡ぁ⋯♡ホンジン⋯、わたし⋯もう⋯♡」
「俺もだ」

彼女の欲望に満たされた瞳を眺めてホランギは優しくソファに横にさせた、広いソファは普通のものよりも横になっても少しだけ余裕がある、背中に回された腕と大きく広げた彼女の足にいつも通りのセックスとは違うがそれでもこの形が一番だと安心するホランギは彼女の太ももを掴んでは腰を打ち付ける。
肌と肌がぶつかり合い程よく冷房が効いた部屋の中でも代謝のいい彼は薄らと汗をかいていた、限界が近いのだとナマエは身を寄せてきたホランギに感じて彼をより一層抱きしめては声を漏らす。

「っすき♡ほんじんっ、あっ♡はぁっ♡」
「ナマエ⋯ッ、俺もだから、俺も好きだから」

絶対に誰にもこんなお前をやるかと強く思いながら昂った熱を吐き出したホランギはソファの上で彼女の上に寝そべっては余韻に浸りつつも顔や頭を撫でられる感覚にこの感覚が好きでたまらないと感じた。
子供を慰めるような犬を褒めるようなそんな彼女の温い手のひらを感じては目を閉じようとしたがそんな心地よい時間は彼女が背中を叩く感覚で早々に終わってしまう。
倦怠感に襲われつつも仕方なく繋がることを止めて後処理をする頃、彼女は乱れた服装を整えつつ破れたストッキングを脱いでいる姿を眺めていれば手が伸ばされ何事かとホランギが思っていれば「ズボンちょっと貸して」といわれ、彼は何も分からぬまま脱いでは彼女にベルトごと差し出した。

「終わったばっかなのに色気も何も無いな」
「一応外だし」
「それでもゆっくりしたらいいだろ、久し振りだったのに」

もう少し雰囲気やピロートークの楽しみくらいと文句を吐くが彼女はスカートを脱いでズボンを履き直してはベルト穴を1番短くしても少し緩いが仕方がないと納得して衣類を整えて先程自分に挟まれていたチップや床に落ちてしまったものを拾い直してはちゃっかりと指で数えてポケットにしまい込む。

「今日は忙しそうなんだもんごめんね、それじゃあ私仕事だから」

また帰ってからね。といって愛想良く笑って部屋を後にした彼女にホランギは本当に守銭奴の仕事人間め⋯と深い溜息をつきながらソファにゆったりと腰をかけてタバコに火をつけて暫くしてから気付いた彼は隣に置かれたスカートを手に取る。

「⋯俺にこれで帰れってか??」

チクショウ!と一人叫んだ彼の声は表の喧騒に飲まれて消える、全くもってホランギは最初から最後まで上手くいかないと毎度ながら彼女の手のひらで程よく転がされていると感じながらも仕方がないとスカートを履いた、しかしながらファスナーの閉まらない彼は結局迷彩柄のボクサーパンツを見せつけながら夜の道を帰るハメとなり翌朝帰ってきた恋人に文句のひとつを告げたのだった。

2025.09.08