その日のルーム004では妙な静けさと緊張感があった。
エプロンを身につけて手馴れた様子で食事を用意する騎士はその背中から何かもの言えぬ雰囲気を醸し出しており、彼女は用事から帰ってきてからというもののただいまの一つを告げただけでそれ以降なんの会話もしていなかった。

「お待たせしました本日のディナーです」
「あ、ありがとう」

テーブルの上に置かれたオムライスひとつには丁寧にケチャップで何故かパルミエのイラストを書かれているものの、彼が作るパルミエが好きだけでありパルミエ本体自体にはさほど興味は無いのだが⋯と思いつつも彼女は黙って食した。
突き刺さる視線と物言いたげなバイクマスクの表情、その巨体も相まってまるで初めて出逢った頃のようにも感じられ彼女は目の前のナイト卿に少々恐怖を感じつつも一度水を飲んでは声を掛けた。

「なにかあった?」
「いいえ、なにも」

予想通りだった、彼が何かをいいたくても口を噤むのは彼自身の騎士としてのプライドもあるのだろう、しかしながら彼女は不満足で半分程食べては彼はそれほど聞き辛いことでもあるのかと悩んだ。
特段彼に対して何かをした覚えは無いため責められるようなこともない、だが言い淀むということは何かある、そこでふと彼女は目の前のこの家政婦とも思われてしまいそうなほど自分に忠義を尽くしてくれる彼との関係が恋人であるのことを思い出す。

思い出す⋯というのはつまり関係を作ったのは事実だが二人は恋人らしいことは普段から何一つ行わなかった、彼女からしてみてもナイト卿に求められれば応じるが自分から何かを求めることはない、恋人としてよりも彼が趣味で作るパルミエの試食係という名のつまみ食い係としての方がよくしている程だろう。

そんな彼女が全てを食べきってスプーンを置き口元を拭って目の前の彼をもう一度しっかりと見つめて問いかけた。

「聞きたいことがあるなら聞いてよ、答えにくいなら"マスター"として聞くけど」
「そ、それは⋯」
「お願いがいい?命令がいい?」

"マスター"からの命令であれば絶対であることを知っていた、彼は恋人という関係以上に主従の関係を強く望みそちらを重視しているものの、その関係に多少の罪悪感と苦手意識を持つ彼女はあまり無理に彼にその権利を使わないようにしていた、例え彼が騎士としての役目を果たしたがっていても。

長い沈黙が流れたことに彼女は呆れつつ立ち上がると彼は慌てて「食後の紅茶をご用意します」と告げて皿を片手にまたキッチンにいき、やはり悩んだような素振りを見せる。
出掛ける前まではこうではなかった、つまり出掛けている間に何かがあった、だがそれは何かと彼女はまるで推理小説の探偵のごとく考えて考えて考え抜いた結果目の前にパルミエと紅茶がまるで謝罪のように置かれて。
椅子ではなく床に正座をする巨体の騎士に本当になんなんだと焦りつつ幸せ広がるパルミエを口の中に含んで咀嚼するといい音が奏でられた。
そしてそれと同時に彼の声が耳に届いた。

「マスターは⋯以前売春婦だったとか」

ブッ⋯!

思わず食べていたパルミエが勢いよく器官に入ってしまいむせ込んだ彼女は背中を摩られるが、その摩っていた本人を見つめてはなにを言うのかと目を丸くした。
しかしながら気まずそうな何か物言いたげな雰囲気をしているナイト卿に何かと彼女は思いつつ見つめると彼は「あの騒がしい男が教えてきたんです」と告げたことに彼女はルーム001に住んでいる、ミザリーのごとくこの世で一番のファンを自称する怪物を思い出し頭を抱えた。

「写真も⋯いくつか⋯」
「そこまで見られてるなら言えることは何もないよね」

もとより隠すほどのことでもないと彼女は自分自身にも言い聞かせた、元より彼らと出会いこのホテルに住まうようになったのは多額の借金がきっかけであった。
ナイト卿は丁寧にも貰ったのか奪ったのか分からないが写真をいくつかテーブルの上に置いては威圧的に彼女を見下ろす、そこには店の公式サイトで薄いモザイクが目元に入った状態の写真や、店内の目隠しのないパネル写真、さらには店内で接客をしている姿の写真さえあり、この写真の持ち主には聞いてやらねばならないことがあると彼女は怒りを感じた。

「貴方という人が、売春婦に成り下がっていたなど」
「いや、あの⋯そりゃあちょっと事情も」
「私のマスターであり、それに⋯そ、それに⋯恋人だというのに」

その言葉には返すことはなかった、恋人が元娼婦などどんな人間も怪物も到底受け入れられることでは無いと彼女は理解していた。
特に目の前の彼は深く愛してくれているからこそ、無理強いをせずに触れ合うこともなかったと言うのに、その恋人は他の男に数多の奉仕をしていたとなればその感情を抑えることは出来ないだろう。
顔を見ることも出来ずに俯いていた彼女だが、黙り込んだナイト卿に対し顔を上げるとそこには銃を手にした彼がいた、撃ち殺されるのか殴り殺されるのか、怪物である彼から逃げることなどできないのだと見つめては言い訳がましいものの想いを吐いた。

「店にいたのは一年だけ、もう何年も前だよ、騙すつもりじゃなかったけど⋯ごめんなさい」
「あぁ信じられない貴方という方があんな身分にまで落ちなければなかっただなんて、婚前の淑女がなんたる⋯私だって一度も触れてないのに」
「ごめ⋯⋯ん?」
「一緒のベットであんなことや、こんなのことや⋯」

ナイト卿は時折変なことを言う、盲目的になりたがることと、ほんの少しだけ知ってることは彼が案外"むっつり"だということ。
接客の写真に関しては確かに客の体にピッタリとくっついてマッサージをしている様子や、シャワーシーンを盗み撮りされていたところなど、はっきりとした行為は写っていなかった上に、ふとその写真に妙にシワがついていることと、どことなく謎のシミがついていることが気になった⋯がしかし言及はしない。

「⋯ナイト卿、怒ってないの?」
「怒ってはいません、現世での貴方の生活の苦労や苦しみは私には到底理解できないものでしょう、ですが⋯ぐっ」

到底騎士が使ってはならないような汚い言葉が聞こえた気がしたが気のせいかもしれない。
兎に角彼の悩みは理解出来たがどうしようもない返事とともにため息をついていい加減シャワーでも浴びて寝ようかと立ち上がったものの彼はピッタリとその背後を取ってついて回った。
不気味なその姿に何事かとみつめると彼はブツブツと何かを呟いていた、何事かと耳をすませば彼は「売春婦め」と聞こえ、思わず背中に冷や汗がたらりと垂れる頃、彼の手が両肩を掴み見下ろした。
真っ暗なバイク用のフェイスマスクは彼の素顔などみえないものの、そこには怒りや興奮が混じっているように見える頃、その紫の煙に包まれたような気がした。

◇◆◇

「あぁ⋯これがマスターの⋯」

ふと目覚めたと同時に見えた景色は見慣れた寝室の天井と寝る前の時のように鎧を外したナイト卿だった。
服を全て脱がされ剥き出しになった二つの柔らかな乳房を眺める彼の視線にこれが彼との初めての行為かと冷静に思ったもののふと自身の腕が頭上で彼から溢れる紫色の煙によって硬く固定されていることに気付いた。
下着一枚のみにされた彼女は恋人との行為は問題ないもののもう少し柔らかい当たり前の行為にならないのかと考えてはじっくりと眺める彼に対して宥めるように声を掛けた。

「ナイト卿これを外して」
「ダメです、娼婦であった貴方をマスターに戻さなくてはなりません」
「なにいって⋯っ!」
「柔らかいっ!それに案外ずっしりと重い⋯あぁこの心地良さはまるでマリアの」

官能小説の音読など聞きたかない!と彼女は声を出して聞こえないフリをしたものの、彼の手袋越しの手が彼女の両方の乳房を下から持ち上げては全体を優しく包んだ。
まさかこの形で始まるとはと思いつつもブツブツと呟くナイト卿から逃れる術がないことも知っていた彼女はこれが騎士のすることなのかと睨み付けてしまうものの「娼婦」という彼の口からはあまり聞くことは無いと予見していた言葉をいわれては否定も出来ず彼の思うままに受け入れるしかないのかと諦めを悟った。

「っ⋯♡」
「この躰で金で女を買うクズ共に奉仕していたのか⋯」

性的な部分を感じられなかったナイト卿は女と肉体関係を持つことは初めてだと知っていた、清廉潔白な騎士であり主人の為に生きてきた彼にとって色恋は不要(そもそも想い人自体が主人なのだから特にだろう)
だというのに彼はまるで女の躰を知っているように嬲るように撫でて彼の大きな手のひらの中の柔らかな彼女の乳房は刺激を受け次第にピンッと頂きに気を張ったような姿を見せる。

「硬くなっているようだ」
「いっ、いちいち言わなくてよくなっぁ♡」
「あぁ一体どんな風に男を誘い客をとったんですか」
「⋯ッ♡」
「抱擁し赤子のように吸わせたのか、その胸に顔を埋めさせたか、それともこの豊満な双丘で挟んだのか、あぁそうなのでしょうね」

やっぱり彼はむっつりスケベだ、というよりも絶対なにかを読んで影響されただろう、彼にこんな知識があるわけが無い。
そうした考えをしてしまうと彼女は自分が彼に幻想を抱いていることも、彼もまた幻想を抱いていることを悟った、人は自分にとって都合のいい様に捉えたくなるのは自然なことである。
そういわれてしまうと彼女は目の前でマスクを被り興奮を抑えきれない彼がより一層愛らしくも感じられ、必死に子供のように胸に触れる彼に対して呟いた。

「⋯して、あげよっか?」
「なにをですか」
「だから⋯その、ナイト卿に"ある"ならここで挟んであげようか?」

怒られるかと正直思いもした、清廉潔白な純粋なる乙女であろうマスターを穢すような口ぶりで彼に奉仕をしてあげると告げた、もちろん彼の肉体がどこまでのものかを知らないため彼にそうしたモノがあればの話であるがそれまで拘束をして人様の胸を堪能していた彼のマスクからこぼれる謎の紫の液体が吹き出しては言葉にならない言葉を発した。
残念ながら逆鱗に触れてしまったらしいと思う頃、彼は遠く離れてブツブツと考えたあともう一度戻ってきては興奮を隠したフリを必死にしているが隠し通せない荒い息で二つ返事を告げた。

第一それって本当に有り得るサイズなのかと疑いたくなるものだったが、彼女は彼が人ではないのだからと自分に言い聞かせて納得をしつつ、目の前に出されたモノをみつめた。

「あぁマスターそんな」

見事な迄に期待と戸惑いを見せる彼に対してベッドの下に膝をついた彼女はベッドに腰掛けてはベルトも全て外して初めて姿を表したナイト卿の"剣"にごくりと唾を飲んだ。
顔のサイズとほぼ変わらないのではないのかと思ってしまうほどのサイズに恐れつつも彼女は期待したように熱心な視線をぶつけるナイト卿のモノに手を伸ばして触れるとそれは人間のペニスと何も変わらないように感じられ、煙のような見た目をしたそれは少しだけヒンヤリとしているが彼らしいとも感じた。

「やはり貴方様が跪くなど」
「するんでしょ?」
「ぐっ」

申し訳なさを感じる彼とは反対に素直に天を向くソレは今にも触れて欲しいのか小さく震えており、プライドが邪魔をする彼にとっては仕方の無いことだと理解しつつもここまで来たならば何もせず終わることも出来るはずがないと一度手を離してやり彼女は自分の胸元に手をやった。
正直なところこうした奉仕は得意ではないため上手い下手を考えたくは無いものだと思いつつ彼女はナイト卿をみつめては自分のものが平均よりもあるはずだが、それでも出来るのかと不安に思いつつその双丘に招いてやった。

「おっ⋯おぉ!」

感動なのか驚きなのか分からぬ声が頭上で聞こえたものの彼女自身今まで同じことをしてきたことはあるが、有り余ってしまう上に自分の顔に当たってしまう程とはと驚きつつも期待に濡れてしまうのがわかった。
ナイト卿のペニスからは人間と同じような独特の香りはしてこずに無臭でありさらには特別血が昂ったような熱もない、好奇心で聞いた際に彼は肉体を生前通りに維持しているものの、好きに変えられるといってきた為、あくまでもこれは付属品の一部に過ぎない形なのだろうと思いつつ、ならば何処までどうなるのかという好奇心に切り替わった彼女はナイト卿のペニスにキスを落とした。

「マスター!」
「こういうことスるんでしょ?文句言わないの」
「あぁ⋯ですが、あ♡」

何度も先端にキスを落としてやれば次第に彼の腰が震えていく姿が面白く、ローションもなければ滑りも悪いため大胆に舌を這わせてやればナイト卿の甘い声があがる。

「あ♡あぁマスターの♡マスターの口淫♡なんたる⋯っ♡」

男の喘ぎ声に興奮するような性癖ではないが自分を求める恋人には人は誰しも興奮する、初心で騎士としてのプライドが高い彼を崩して扱うことは楽しく、そうした胸の内の表れが行動に移り彼女のたわわな双丘の中で縮こまる彼のものを飲み込んでは彼を包み込む胸と喉を上下にストロークしてやった。

「あぁっ♡なんたる姿⋯♡ぐ、ぅ⋯♡」

唾液に濡れた彼のものが次第に滑りをよくしていき、胸はすんなりと上下して次第に彼を押し倒すように圧をかければベッドの上に倒れ込んだナイト卿のペニスをまるで玩具を扱うように胸や口で遊んでやった。
あんなにも屈強であった騎士が自らの下で情けない声を上げていることがこんなにも楽しいとはと彼女は高揚感に包まれて笑ってみつめたが、ふと彼のバイクメットの下の目と自分の目が重なったように感じた時にはその獣の手綱は抜かれていた。

「え?」
「あぁマスター、こんなことを他の害虫にしていたなど⋯罰せねば」
「ッちょっ、いっ⋯あ」
「お"♡こんなっ♡豊満な胸でっ⋯金さえ払えばなんでもするようなクズ共の慰めモノにされていた⋯♡などっ、♡ゆっ許せない♡♡」

気付けば互いの立場は入れ替わりベッドの上に仰向けで寝かされた彼女はその胸を両脇から掴み寄せられてはペニスを挿入され乱暴にまるで犯されるように腰を打ち付けられた。
ずぢゅっ♡どぢゅっ♡と激しい音が聞こえ彼女はまるで自分が本当に犯されているようにも感じられては目の前で罰を⋯と唱えるナイト卿は正気を飛ばしたのかと考えた。

「ちゃんと自分で持たないか!」
「は、い⋯ん"ん"ッ♡♡」
「あ"ぁ"ッ♡マスターのちいさい口♡ほら娼婦としてちゃんと開けて奉仕してください」

命じられるがままに自分で胸を支えれば上に股がった彼は腰を揺らし頭を掴んでは薄く開いた彼女の口の中を支配しては声を上げて喜んだ。
息苦しく心地よくもない行為であるというのにナイト卿から発せられる言葉や声を聞くだけでその身体は疼いた、まるで馬の上に乗っているかのように揺れる彼が次第に早くなる。

「あ"ッ♡あ"ぁ♡イク""っ⋯う"♡」

低い唸り声と共に発せられた言葉に目を固く瞑るものの予想した顔への付着物は何も来ず、ただその身を震わせるナイト卿に彼女は何事かと目を丸くしてみつめた、しかしながらその肉体の違いからして彼が人ではない故なのかとも理解しては虚無となる彼にこれで終わりだと仄かな安堵を覚えつつ、馬乗りになる彼の太ももを軽く叩いて降りるように催促したが、ナイト卿のそのヘルメットはぎらりと光った。

「ちょっといやだって!これはちょっとっ!」
「売女としてここまで洗練された貴方を元に戻すためです、純白の乙女にはなれずとも穢れを払わなければ!」
「だからってこれッ〜♡♡」
「こんなにも濡れているとはマスターは先程の行為をお喜びになっていたんですね、あぁ感激致します」

自身の肩にまでつくほど足を持ち上げられてはナイト卿の眼前にさらけ出した体制となることに彼女は酷く抵抗を示すものの彼は先程の行為から興奮が冷めずに薄い下着の色を変えた彼女を眺めてはさらに鼻息荒く声をかけたかと思うやいなや、彼のヘルメットの隙間から溢れた触手や舌に近い何かが彼女の下着の隙間に侵入し簡単に秘所を撫でた。

「っ♡ぁ♡」
「マスターの吐息⋯なんと美しい、しっかりと丁寧に致しますからね」
「ひッ⋯ん♡あッ♡」
「布の上からでもマスターの形が分かります」

指よりも太く柔らかくヌルヌルとしたその舌と呼ぶよりも触手に近い煙のようなそれは次第に彼女のナカへと侵入し探るように這いずり回った。
足を大きな彼の手で固定されてしまえば逃げることもできずにその快楽に委ねられる彼女はその身を震わせながらも声を抑えようとしていた頃。
ナイト卿はある一点を探り当てたようにその場所を執拗に撫でた。

「っ♡ぁ⋯あ"♡だ、め⋯そこ♡」
「イイところなんですね」
「ち、が⋯♡ぅ⋯っ、ちがうの♡♡」

嫌だと逃げようとすればナイト卿はますます彼女の中にそれを押さえ込んでいたぶっては身を震わせる主人がただのメスであることに興奮を覚えた。
守らなければならないはずの相手の表情やその肉体に彼は騎士でなく一人の男としての視線しかぶつけられなかった。

「そこ"ッ♡ほ、⋯んとっ♡♡だめっ⋯あ♡ぁっ♡〜ッ♡♡」

簡単に絶頂を迎えた彼女はそれで終わりだと思っていたことは間違いであり、ナイト卿はあくまでも娼婦であった彼女に対しての怒りとは別に女として彼女も踏まえていた。
つまり彼は今目の前にいる相手をどうしようもなく無茶苦茶にしたくて堪らなかったのだ、そんなことを考えもせずにこの話に乗ってしまった彼女にとってそれからの時間はまさに地獄かのような快楽が待っていた。

「お"ッ♡イク"ッッ♡♡また"ッ⋯ン"〜〜♡♡」
「あぁ可憐だ、貴方のような娼婦に買い手が付かなかったことを心から感謝します」
「⋯っ♡⋯っ♡ま、て♡♡な、いときょ⋯♡♡」
「一体どんなことをされたらこんな躰になってしまうのか、聞きたいことは山々ですが貴方はもう私だけのマスターだ」

最後の一枚だった下着を剥ぎ取られてからというものの彼女はベッドの上でナイト卿の指で弄ばれていた、足を閉じることも出来ずに開かされては横になった彼に顔をのぞき込まれ何度もその手が彼女の下半身を撫でて絶頂に導くことによりシーツは色を変えて大きなシミを残した。
ベッドの中ではそこまで激しいタイプではなくどちらかといえばマグロだと思っていた彼女にとってナイト卿のしつこい前戯は彼女の肉体を作り替えるかのごとく敏感にした。
ぐちゅぐちゅと何度も激しい水音が部屋の中に響いた、先程の彼の触手のような何かとはちがう固く整った手袋をはめた指先は簡単に彼女の小さな場所を支配して幾度も絶頂を導くためか手袋さえも既に色を変えており、指とはまた異なる感覚が彼女の快楽へと変換される。

「い、けな⋯♡♡もぉ⋯む、り♡ゆる、ひて♡」
「そうですね、そろそろ頃合いかと思いますからあと三度イケたら終わりましょう」
「や"ッあ♡♡む、り♡あッ⋯っく、ぅ〜〜〜♡」

一体どれほど時間が経ったのかと思うほど長く愛撫された肉体は既に震え、快楽を恐れているようにさえみえた。
ベッドの上で仰向けで力なく寝そべるただの女である彼女を見つめてはナイト卿は満足そうにしつつ、その足を掴み彼女の足の間にソレを差し向けた。
ようやくかと思いつつもふと彼女は顔を青白くさせて「ナイト卿?」と声をかけると彼は穏やかな声で返事をして見せたが、改めて見ても大きかった彼のモノはさらに大きく見えていた、足の間に押さえつけるように置かれたそれは簡単に彼女のへそまで届く位置にある。

「それ⋯それは無理」
「なにがですか、あれだけしたのですから大丈夫です」
「死ぬってば絶対無理だから」
「文句を言わないでください、娼婦をしてた貴方の穢れを祓うためです、私と交わり清廉潔白なマスターになりましょう」

その言葉の意味も分からないと言い返そうとする間にナイト卿は彼女の足を掴んでは遠慮もなしにそのモンスター級のペニスを彼女の小さいナカに押し込んでみせた。
まるで内蔵が背上がるような感覚と同時に頭の中で火花が散ったような感覚を感じながら彼女はえも言えぬ快楽を感じては声にならない声を上げた。

「溶けそうなほど熱い、これが⋯マスターの♡」
「ッ"♡っ⋯♡」
「狭く少し動くだけでぎゅうぎゅう締め付ける、流石はマスターです♡」
「う"ぅ"っ♡ぁ⋯や、ぁ♡♡し、んじゃ⋯あ"♡」
「あぁ本当に美しい、貴方だけが私のマスターだ」

マスターとそう呼びながらも彼は自分の"女"であるのだというように彼女を抱いた、他では経験のないほどに丁寧に激しく苦しく心地よく支配して、子宮の形がナイト卿を覚えてしまいそうなどに叩きつけられてしまえば彼女は雌になる以外の方法はなかった。
足を持ち上げられ強く叩きつけられる度に頭の中が真っ白に代わり自然とナイト卿を求めて腰に足を絡めて抱きつけば彼も満足そうに答えてやった。

「んお"ッ⋯♡お"ッ♡しきゅ⋯あた、って♡♡」
「お"ッ♡締め付けが⋯っこれで他の虫ケラ共に媚びたのか、ゆっ許せませんマスター」
「ちがッッ♡♡あ"ッ♡ぉお"ッ♡」
「私との再会のためとはいえ、あんな下品な店で⋯♡あぁなんて破廉恥な」

肩につくほどに足を持ち上げられ真上からプレスするようにその巨大なペニスが抽挿を繰り返す度に彼女は激しい声を上げてはナイト卿を求めるように締め付けた。
小さな子宮は彼を受け入れ喜ぶように反応しており、巨大なモノを受けいれたが故に薄く膨らんだ腹はその圧迫感にさらに彼女の頭を真っ白にしてしまう。

「あ"ッ♡イグ♡♡ないとっきょ、ぅ"の♡♡ちんぽっ♡ォ、でイグっっ♡♡」
「はしたないお言葉を⋯ッ♡ですがエクスタシーに飲まれるマスターは愛らしいです、私だけをお考え下さい♡」
「イッ♡グ、ぅーーーっ♡♡」

繋がりあった二人のその場所は激しく音を立て、転げたように足をあげさせられた彼女は絶頂と共に大きく潮を吹いてはナイト卿や自分自身の顔まで汚してしまい、強い快楽が自然と頭を空にさせる。
彼女の顔に残る汚れや涙を親指で拭うナイト卿はメスに成り下がる自身の主人が息を整えていることも無視して右側に横向けては左足を掴み持ち上げてより深く自分のモノを射し込んで腰を打ち付けた。

「イッたばかりのマスターっ、あぁなんと愛らしいッ♡その姿を一体どれ程魅せたのですか♡あぁ憎らしいッ、全く貴方はどうしようもない」
「はッ♡ハァッ♡ご、めっなさ♡♡ごめ、んなさ♡♡ア"ッ♡♡」
「そういいながら一体どれほどイッているんですか⋯私以外の存在にもう二度と触れられないような祝福を贈りましょう」

これから離れることなどもう無いのだからとつぶやくナイト卿の執着や愛が強く深いことを知る彼女は意識が朦朧としつつもまるで人形のように扱われその腟内が彼を覚えてしまいそうなほど犯された。

「あぁっ♡そろそろ射精しますッ♡」
「お"お"♡♡あっ♡ゃ"あッ♡♡」
「愛しい我がマスター、私だけの特別な人⋯」

ブツブツとつぶやくナイト卿はまるで恋人のような正常位に戻しては彼女の手を取り指を絡めて繋がりあった、激しい腰の動きと共に二人の繋がりあう音が響いた。

「射精しますからねっ、マスター受け止めてくださいッッ」
「〜ナイト、卿ッ♡」

熱い何かが子宮の奥に注がれているように感じられた、腰の動きをようやく止めたナイト卿のモノは中で小さく震えていたもののそれは長く感じられ、彼女はふとその熱と長さに一度目の彼の絶頂の際には何も無かったことから安心しきっていたものの今は違うように感じられ、思わず顔を青ざめさせては彼の背中にまわした腕を動かして広い背中を叩いた。

「ナイト卿もしかして本気で射精してる?っ赤ちゃんできるってば」
「ご安心ください私にその能力はもちあわせていません」
「でもっ、あッ♡こ、れぇっ?♡」
「私の身体はもう人ではない怪物なのです、主人を求めさ迷っていた⋯だからこそ貴方に"祝福"を授けるのです」

私以外とは愛することなど許さない、他の害虫には触れさせない、私だけのマスターでいてもらうために、私だけの雌でいてもらうために。
そう呟いた彼のヘルメットの中の煙は怪しげに揺れて、その中に見えた彼の瞳は怪しく弧を描くようであった。
下腹部に感じる熱に視線をやるがそこにはまだ繋がりあったままであり、彼女は彼の執念深さや執着を感じては恐ろしさを感じ逃げ出そうとするがナイト卿の手は彼女の首に周り優しく力を込めて細い首を絞めた。

「お慕いしておりますマスター、二度と貴方を私以外の手に触れさせはしません」

その言葉はどんな愛の言葉よりも重たく感じる頃、何故か彼女は彼を強く下腹部で締め付けた、それは何よりの答えであっただろう。




「誠に申し訳ございません」
「⋯反省しなさい」

ベットの上でシーツにくるまった彼女は床に正座する騎士を睨みつけた、あの行為が一体どれほど続いたかなど彼女は考えたくもなかったが全身の疲労感や空腹に喉の乾き、さらにはその肉体には痣のようなものもいくつか残っており余裕をなくしたナイト卿の恐ろしさをしかと味わったが彼女は全くと呆れてしまっているところもあった。

「お腹すいたからご飯作って食べさせてお風呂も用意して一緒に入ってちゃんと洗ってパルミエも焼いてあったかい紅茶もお願い」
「もちろんです、直ぐにご用意いたします」

結局のところ彼の前ではマスターとして振る舞う際にワガママな女へと変貌する彼女はナイト卿の"マスター"への優しさを痛感しつつ、これが二人の初めてでよかったのだろうかと若干の不安を感じながらもまあいいかと深く考えることをやめた。
そんな彼女のことを心配しつつも早速命じられた通りに仕事をしに行こうとするナイト卿に彼女はふと思い出して足を止めさせた。

「どうしましたマスター?」

彼女の呼び掛けにはまるで手綱を引かれた馬のように止まることの出来る彼は慌てて振り返り彼女の足元に戻ってきては不安そうに見つめた。
しかしながら彼女は起き上がりナイト卿に身を寄せてはそのヘルメットに額を押し当てて彼の頭に手を添えて中を睨みつけるように覗き込んではいう。

「訂正したいんだけど、私は恋人⋯いや本気で好きな人以外とはどんな相手でも繋がったことなんてないから」
「といいますと?」
「お店で働いてたけど⋯お風呂入るのも手と胸しか使ってないってことだから、誰とも寝てはないから」
「は、ぁ⋯」

彼からしてみれば同じだろうと言うかもしれないと思いつつも彼女はそれは特別なことだった、金を積まれたからといって誰とでも寝るような女ではなくそれなりにプライドはあったといいたいのだ。
それに恋人だってそんなにはいない、気恥しくも彼の顔を覗き込んでは理解してくれない相手に対して諦め気味につぶやいた。

「こんなに好きなのはナイト卿だけだってことだよ、ほらわかったら行って」
「っ!マスターっ⋯えぇ勿論です、理解しております私の気持ちと同じであるということを」

ヘルメット姿だというのに何故か分かりやすい喜怒哀楽に不思議に思いつつも思わず頬を緩めては隣のキッチンに向かう彼に自分も服を整えるかとベッドから出ようとする頃、ドアに手をかけていたナイト卿は彼女に告げた。

「それでも貴方には私だけだと教えたかったのです」

そうして完全に部屋から出ていった彼に騎士というのは正々堂々としており真っ直ぐだが、それがこうも恋愛面にも出されてしまうと勝てはしないなと思いながら服を着つつ、今回の騒動の発端である斧を持った赤いファンにはお礼の小説を一本と持っていたデータファイルの削除を頼みに行こうと考えるのだった。



2025.11.12