いってらっしゃい。
そういって彼女が彼を見送ってから早一週間以上は顔を見ていないと感じた、その一週間は夕飯を二人分作っては一人前を翌朝に食べる、たまに置いておいた夕飯が気付けば朝には空っぽになり皿が洗われているが人のいた形跡はそれくらいしか感じられない。
警部である夫、塚内直正が多忙なことを彼女はしっかりと理解しており、スマホを覗いては「今日も帰れそうにない」という短い連絡に「無理しないでね」と返事をするだけの時間だけでも幸福だと理解している。
一年に数度こういう時期がある、大抵が大きな事件で帰れない彼は今頃硬い警察署の仮眠室やソファ、または椅子の上で意識を失うように眠っているのだろうかとその日の夜も一人ベッドの中で考えていた。無事であるならそれでいいと思うのは事件を追うことはもちろん、犯人を前にする彼の命を考えてのことだ。

「ご飯…ちゃんと食べてるのかな」

少しだけ寂しいと素直に感じる。
夫婦関係になってから数年だとしても愛おしいと思う気持ちが変わらないのは周りには照れ臭くて伝えられないが深い感情だ。
気付けば日付が変わっている、今日も連絡通り帰って来れないのだろうと淡い期待を抱いていた彼女は仕方がないとベッドライトを消して布団の中に潜り込む。
一人で寝るには広いダブルベッド、抱き締められる腕はない。一人きりの熱だけのベッドでもう片方の枕に顔を埋めると彼の香りが広がり胸の内が満たされると瞼がゆっくりと落ちていく。
夢の世界へ、もうあと一歩というところで聞こえた音に彼女は目を見開いた、ガチャガチャと何度か音を立てたあと鍵を差し込む音に慌ててベッドから飛び出して玄関に向かうと念の為にと電気をつけていた玄関先には想い人がいた。

「直正さん、おかえりなさい」
「ナマエ、ただいま、起こしちゃった?」
「ううん、平気…わっ、あ」
「…ポカポカしてるな、寝てただろ」
「丁度寝ようかなって、って冷たい…すごく寒かったんでしょ、マフラーも手袋もしてないし」

久しぶりに帰宅した夫である彼は予想通りの姿で、草臥れた身なりの彼は髪はボサボサで髭も剃っていない状態、日頃からその性格を表すようにしっかりとした身嗜みの彼が乱れた姿にナマエは内心──貴重(ラッキー)だ──と密かに思ってしまいながら、傍に駆け寄った彼女を深く抱きしめる塚内の身体は服の上からでも冷たく、眠りに誘われていたナマエのポカポカとした身体で暖を取るようにその身を寄せる。
学生時代からの交際の末の結婚は出会いからもう二十年になるというのに未だに新婚のように甘え合うのは癖のようなもので、大きなその身体で彼女を包み込む塚内はまるで喉を鳴らす猫のように心地よさそうに彼女に頬擦りをして堪能した。

「あのね…直正さん、手がいやらしいよ?ご飯は?お風呂は?明日は?」
「いやらしくしてるから仕方ない。飯と風呂よりナマエがいい、二日は休めって強制命令だ」
「ッ…つめ、たい、お腹すいてる、でしょ」

甘えるだけの仕草だと思っていたものの静かに服の裾から手を入れる彼に思わず久しぶりの帰宅なのだから身体を労らなきゃダメだと彼女は言うものの、それ以上に触れたいと彼は望んだ。
首筋に顔を埋めて、服の裾から伸びた手が腰から上へと撫で付けて、インナーの下の柔らかい二つの膨らみをその手に抱いた。

「あっ…♡直正さん…っほんとに」
「ダメ?」

兎に角お風呂に入っておいでと口にしたかったが正面から強く抱き締めては胸元に顔を埋める彼の疲れきった顔だが、その瞳の奥には男がいる。強く求めてやまないといいたげなその表情に出せる答えは一つだけだった。

「直正さっ、ぁ♡♡やっ、ぁ♡」
「すごい熱いな、これならすぐ暖まれそうだ」
「ゃ…ぁ♡そこ、ぉ…舐めちゃっ…♡」

抱き上げられてすぐに暗い部屋の中を慣れた足取りで移動しては寝室に辿り着くなり、ベッドライトをつけた塚内が羽織っていた脱いでは荷物と共に投げ捨てるように床に置いたのを彼女は皺になると注意するがその言葉を聞き終える前にベッドに寝かせてはそのままパジャマのズボンを下着ごとずらして足を持ち上げるなり顔を埋めた彼は興奮気味に舌を這わせることにナマエは羞恥心と快楽を混ぜた反応を示す。
生ぬるい舌が全体を這い、大きな手のひらでまるで下から押し上げるように足を抱えられその場所を広げられては彼の視線や感覚が全身に甘い痺れを与える。普段の行為では感じない彼の短く生えた髭が触れることさえも小さな感覚になり、身を捩らせて甘い声をあげるナマエに塚内は堪らなかった。

「ッ…♡ふ…っ、ぅ♡」
「気持ちいい?」
「ッ♡〜〜っ♡」

声にならずに必死に枕を掴む彼女を見て笑うと強く吸い上げては溢れる蜜に素直な体だと感じつつ薄い下生えを感じつつもまるで犬のように塚内は彼女のその場所を何度も舐めると、次第に彼女の声は苦しくなりあっという間に彼の舌先だけで絶頂を与えられその身体を震わせるが、塚内はそんな彼女の震える足を撫でながら手のひらで形のいい尻を撫でてはたっぷりと濡れたその場所を撫でて、上部に位置する芽を撫でた。

「っ…ぁ♡だ、め♡♡いまっ…そこ…♡」
「ナマエさん好きでしょ、イッてからされるの」
「すき、っ♡じゃっ…ぁあ♡なお、まささっん♡」
「凄くいい表情(カオ)、いくらでもイッていいから、みせて」

嫌だと頭を振っていても彼の指先は激しく芽を撫でる。敏感な神経の塊となる弱点を責め立てる塚内の表情はとても意地悪く楽しそうで、そして何よりも色っぽく、久方振りに会えたことも触れられることも彼女にとって全て興奮材料になってしまう。
塚内との行為は淡白気味なことも多いが、こうして疲れて帰ってきた日に限って異常にしつこく丁寧で何度も気持ちよくされてしまうことをナマエは知っていた。
まるでストレス発散の一環のように快楽を与えてくる彼はナマエの顔を覗き込んでは深く舌を絡めながら覆われた皮を剥いて、剥き出しの赤い芽を激しく右手の中指と薬指で撫でられ、また絶頂を与えられると休む暇もなく二本の指は次に愛液で溢れた雌穴の中に侵入して激しく動き回る。

「んっ…♡ふぅ♡うッ♡ン…はぁ、ぁあ♡♡」
「すごい音、これじゃすぐイキそうだな、気持ちいい?」

嘘を見抜く相手に口先だけの嘘をついても仕方がないことを長い時間ともに生きてきた彼女は理解しているためコクコクと小さく頭を振ってみると、指はますます激しさを増して彼女の弱い箇所ばかりを撫でつける。
恥ずかしい程に愛液が溢れて近辺が大きく濡れてることを自分でも感じている彼女は拒否することも出来ずに彼の愛撫を受けては甘い声をあげることしかできない。

「ぁ♡直正さ、ん♡♡イッく、…キちゃう♡♡」
「あぁどうぞ、いくらでも見ててあげるから」

わざと身を寄せていつの間にか塚内に抑えられなくても自分で足を上げてしまうナマエはそれほど彼に教え込まれていることを自分でも理解しているが、行為中には何も考えられなくなってしまう。
激しい水音が部屋の中で響きながら足の隙間から時折塚内の手が見えてしまう。自分に快楽を与えるために動く指先に自然と興奮していくうちに違う感覚が上り詰めて枕を握る手に力が籠る間もなく塚内の手元に何かが掛かり声にならない声をあげるナマエが背を浮かせて潮を吹いた。

「すごい気持ちよさそうだな」
「…お♡…ぁ♡……ら、め♡♡いまっ、いまだめっ♡」

絶頂を何度も与えられ、潮を吹かされ、親指で芽を押され、ありとあらゆる快楽を打ち込まれていても尚、彼の雌であるというように健気な妻は受け入れる。
塚内がようやく満足気にふやけそうになった指を抜いてやる頃には半分意識が朦朧とするナマエで、ピクピクと肩を震わせて足をガクガクとさせる姿に塚内はベルトを外して性急にズボンと下着を下ろすなり、ナマエの足を掴んでは既に全力で勃ちあがった己の雄を彼女の入口に宛てがっては擦り付けてやる。
そうするとまるで彼女は待っていると言わんばかりに張り付いてくるため塚内の口元は緩まって部屋の壁にかけてあるカレンダーを見た。

「時期が違うけどいいよな」
「うん……奥まで、ちゃんと頂戴」

小さなシールがついた日は彼女の排卵日で二人にとっての大事な日だ。
大抵その日を目安にしているが今回は時期がズレてしまったこともあり塚内はそのことも踏まえて念の為に言うと彼女は塚内のモノに手を添えては腰を押し付けては情熱的に誘いかける。
堪らないと唾液を飲み込んだ途端に塚内は激しく彼女のナカに自分を沈めて腰を激しく打ち付けた。疲労による疲れは一切感じさせないような激しい行為についてナマエはいつもそれがストレスからする動物的な生存本能だと感じており、激しくなる彼の背中に腕を回しては振り落とされないように必死に食らいつく。
最奥まで簡単に叩きつけられると自然と自分の身体が彼を望むことに羞恥心はなく、反対に自らもさらに奥へ誘うように彼の腰に足を回してひとつになるように強く絡みつく。

「積極的だなっ…寂しかった?」
「う、ん♡……さみ、しかった♡♡」

彼に嘘をつけないことは知っていても、素直に言葉に出すことによる喜びと安心感が違うことは彼女にも理解しており、心が満たされるほど行為は互いを心地よくさせるものだと感じて答える。
その言葉に満足そうに塚内が微笑んでは優しく一度自分を抜いて、彼女をベッドの上でうつ伏せにさせるなり寝そべったまた彼女の奥にもう一度腰を突き進めた。

「あぁ"っっ、〜〜っ♡♡

より深く最奥まで侵入しては彼女のパジャマの上を捲りあげてベッドライトで照らされる彼女の背中に舌を這わせ甘く歯を立て吸い付いてと子供のように跡をつける、赤い跡も薄い歯型もその華奢な背中に残される姿に塚内は満たされていく。

自分の為だけに待ち続けてくれる彼女が自分の手で震えていくその姿に愛おしさが増さないわけがない。抑え込むように後ろから腰を叩きつけてシャツを捲って乳房に手を回して手のひらでその形を堪能し、小さな耳たぶを噛むのは獣のようにも見えてしまうが塚内にも余裕はなかった。

泊まり込みになる事件というものは大抵単純ではない上に悲惨な事件が多い。テレビのニュースでも報道されているためナマエも知ってはいるが婦女殺人事件で、ナマエと同じ年齢の主婦であり、塚内には彼女が一瞬重なった。
抱きしめて愛を伝えて密かに個性を使いながら彼女の声を聞くだけで安心してしまい、つい激しく求めてしまい互いの余裕を失わせる。

「なお、まささっ…ぁ♡♡イッ、ちゃ、う…♡♡だめっ…や、ぁ…っひ、〜〜〜ッ♡♡」
「ッ…ぐ」

シーツを握る彼女が耐え切れずに一人で達した姿を見下ろす塚内はもう一度引き抜いては今度は彼女を抱き上げて膝の上に座らせる。塚内を受け止めていたその場所は簡単に最奥まで飲み込んで、絶頂を迎えたばかりの肉体を震わせては堪らずに彼の首に腕を回して顔を埋めるが塚内はそれを許さぬように舌を絡ませてキスをした。
薄く目を開いてみつめると、塚内の強い愛をしっかりと受け止める彼女の表情が見えることに心が満たされて、腰から下に手を回して健康的な臀部を掴み下から腰を突き上げてやった。

「ナマエっ…何回イッた?」
「っ、わか…なっ、ぃ♡きもっ…ちぃの…♡」
「そう、もっと気持ちよくなって、俺のこと沢山呼んで」

甘えるように望んだ塚内の言葉にナマエは彼を強く抱き締めて何度も「直正さん」と名前を呼ぶと彼は嬉しそうにその言葉に合わせて腰を打ち付ける。あからさまに嬉しそうな態度の彼にナマエは疲れ切っているからこそ甘えたいことはわかるが、かわいらしい人だと感じては快楽を得ながらも彼の頭を撫でて自ら何度も揺さぶられつつも頬や鼻先や額にキスをするが塚内は唇を向ける。

「直正さんっ…♡あっ、直…まさっ、さん、すき♡だい、すき♡」
「うん、俺も…愛してる」

強く互いに愛を囁いて抱きしめ合っては塚内も限界が近く彼女を繋がり抱き締めたまま正常位に優しく戻すなりさらに激しく腰を叩きつけた。
ベッドが痛ましいほどに音を立て、壁沿いに置いているため隣の部屋に聞こえるかもしれないと深夜の時間に思いつつも止められずにいると塚内は自分の腹部が濡れるのを感じた。

「また潮吹いたな、ははっ…シーツ変えなきゃ」
「ッ〜♡♡なお、まささんのせい……っなの♡」
「うんうん、わかってる…ナカに射精すから、一緒にイこう」

そういって激しく腰を打ち付けてやると、ナマエは先に身体を震わせて塚内を求めるため、彼も数拍置いたあと絶頂を迎え互いに強い愛を感じつつ震える身体で抱きしめ合った。

「……で、なにしてる?」
「…好きかなって」

行為を終えてベッドの中で服を全て脱ぎきって互いの熱を分かち合うようにゆっくりと抱きしめ合い過ごしていたはずだったがふと彼女の手が塚内の足の間に伸びて、触れていることに彼は何事かと思うもののその一言を告げた後に彼女は布団の中に潜り込み、足の中心分に顔を埋めているのだと布団の膨らみと感覚に気付く塚内は布団を捲ると案の定舌先で"掃除"する彼女がそこにいた。

「……っ、はぁ、まぁ好きだけど」

そういってしまうと彼女はゆっくりと熱を持ち始めるモノを咥えては指や舌で刺激することに、明らかに行為後のご褒美タイムではなく、まだ望んでいるのだと言うような誘いの合図だと感じてしまう。
伏し目がちに懸命にしてくれる彼女に塚内は背中に枕を置いて上半身を起こしてはナマエの頭に手を添えて撫でてやりながら眺めるが、あからさまに彼を挑発するような舌技は彼に二度目の着火剤を導入して、次第に元気を取り戻し始めた塚内は彼女の腰を叩いてやると分かっように彼女は身体を横向けにして薄く足を開く。

「ったく、俺の奥さんには困ったな」
「…っ♡ぁ…だ、て♡直正さんがっ…」
「俺が、何?」
「顔も、見せてくれたなかった…から♡」

寂しかったと直接口にしなくても通じてしまうその感情、人は嘘をつく生き物であり、それが間違いでも正解でもなく、さらには醜いや汚いという感情の話ではないことはわかっていても、長年の付き合いとなる彼女に関しては清い人だと思ってしまえるほど素直な相手だった。
参ったなと小さく呟く塚内に足の間に指を沈められる彼女も身体を震わせて受け入れていれば四つん這いにさせられ、また後ろに彼がいるのを感じる。

「明日は休みだが、夕飯は明日の朝だな」

他のそうにそういった彼にナマエは文句もいわずに受け入れ、二人は久し振りの夜を熱く堪能した。

彼女が目覚めると外は明るく、カーテンをしていても少し眩しいほどだった。ベッドには自分だけで温もりは残っていたが見当たらない彼に緊急の呼び出しでもあったのだろうかと寂しく思いつつ余韻の残る重たい身体でリビングにいけば丁度洗面所から戻ってきた塚内が現れた。

「え!?もう剃っちゃったの?」
「え?あぁまぁ」
「やだぁ…せっかく貴重な姿だったのに」

昨日の夜とは打って変わって騒がしくなる彼女はスッキリとした顔立ちの塚内に駆け寄っては綺麗になった口元を撫で回すと、昨晩堪能した無精髭はいつの間にか消えており、目の下のクマもマシになりシャワーまで終えてスッキリとした姿になっていることに嘆いた。
そんな彼女に苦笑いをする塚内は普段しっかりとした姿をしている分、だらしない姿になった自分に喜ぶ妻も久しぶりに見たな…と思いつつ、だから昨晩は情熱的だったのかと思い出しては抱き締めてキスをする。
昨晩あれほど困らされたチクチクとした感覚のない心地よい普通の感覚に物足りなさを覚えつつも抱き締め返して唇を重ねてじっくりと堪能して離れると塚内は彼女を見て微笑んだ。

「ただいまナマエ」
「おかえり直正さん、ご飯にする?」
「うん、頼むよ」

そういっていつも通りに椅子に座って昨晩の夕飯に火を入れる彼女を眺める塚内は残った仕事に向けての英気を養い、また力を蓄えて現場に戻れると感じつつ大好きな味噌汁の香りを感じながら椅子に座って彼女を眺める。

「あっ、そうだ、あとでシーツとか洗濯出しに行かなきゃな」

思い出したようにそういうとキッチンから顔を上げた彼女が顔を赤くしてはついでに夕飯の買い出しも行こうと言うため、今日はデートになるなと感じて微笑んだ、愛する人を守る力を感じつつ、眩い外の光を眺める塚内は早く仕事を終わらせて毎日ちゃんと帰ってこようと思った、愛する人が待っているから。

2025.12.21